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藤崎京之介怪異譚
case.6 「闇からの呼び声」
T 12.5.AM8:11
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れた窓を見ていると、後ろからドミニク神父がそう呟いた。未だ声は掠れているが、先程までの動揺は見られない。さすがは神父…と言ったところか。
 そんなドミニク神父の言葉に、宣仁叔父が静かに答えた。
「そうだな。シンクレア神父は死んだのだ。普通なら生きている者にしか憑かないはずなのだが、奴等は確かにドミニク神父の躰の中にあった。死者の躰を使い、奴等は神への冒涜行為を行うつもりなのだろうが…。」
「何ですって!?そんな…シンクレア神父は…」
「ドミニク神父。君の想いは解るが、後は我等の仕事だ。君は教会の仕事に戻りなさい。」
「ですが…」
「君にはあの悪霊は払えない。それを分かった上で、我等を呼び寄せたのだろう?」
「はい…。」
「これはバチカンにも報告しておく。事が大きくなる前に早く収めなくてはならんからな。さ、行きなさい。」
 そう諭すように叔父がドミニク神父に言うと、彼は「分かりました。後はお任せ致します。」と言い、そのまま部屋を後にしたのだった。
「叔父様…どうするつもりなんですか?」
「これは我等だけでは荷が重いな…。助っ人を呼ぶかな。」
「助っ人…?」
 俺が不思議そうに叔父へ問うと、叔父はそれに答えることなく仕事へと取り掛かった。俺は仕方無く聞き出すことを諦め、叔父の後に続いて仕事に掛かったのだった。




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