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アインクラッド編
龍皇の遺産
龍皇の遺産 03
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のある場所まで戻ってきた。
 道は相変わらず健在で、僕とアマリはその前で止まる。

 「それにしてもさ。 なんて言うか嫌な話しだよね」
 「ですです?」

 僕たちプレイヤーは、色々な理由で何体ものモンスターを殺し続けてきた。 モンスターは茅場 晶彦の手によって生み出された仮初めの命だと、多くのプレイヤーは認識しているだろう。
 けど、僕は違う。 きっとアマリもそうだ。
 モンスターは生きていると、たとえシステムに動かされている仮初めの命でも生きていると、そう認識している。 だからこそ、僕もアマリもモンスターを『倒す』ではなく『殺す』と言っているのだ。
 そして、そう認識しながらも、僕たちはモンスターを殺すことに躊躇いを覚えたことはない。 生きるため、目的のため、モンスターを殺し続けてきた。 何体も何体も何体も、ずっと殺してきた。

 ヴェルンドさんが慕う龍人族の皇帝を殺したことを後悔はしていない。 彼を殺さなければ僕たちの解放はあり得ないのだから、これからだって殺し続けるだろう。

 「この手を血で染めて、そうまでして向こうに帰る理由が僕にはある。 向こうに置いてきたことがある。 今更、後悔なんてしてないよ」

 僕もアマリも重度のネットゲーマーだ。 だから、モンスターを殺すことに慣れているし、モンスターを殺すことが楽しいと感じている。
 ゲームが好き。 戦うことが好き。 戦うことが好きと言うことは、即ち殺すことが好きと同義だ。

 この世界であればそれは奇人変人扱いで済んでいるけど、現実では異常者扱いだろう。 最悪、それなりの施設に収監されかねない。
 もちろん、僕にだって分別はある。 プレイヤーを殺すことを楽しんだりはしない。 少なくとも今は。
 でも、この先もそうあれる保証はどこにもないのだ。 いつかプレイヤーを……人を殺すことを楽しいと感じるかもしれない。
 そう。 ()()()()()()()

 何度でも言うけど、僕は何も後悔していない。 モンスターを殺したことも、プレイヤーを殺したことも、全く後悔していない。 けど、そんな自分が怖くなる時がある。

 いつか僕は、現実でも人を殺すんじゃないか? 自分のために人を殺すんじゃないか?
 僕は自分が狂っていることを自覚しているけど、それでも冷静な部分は残っていて、その冷静な自分が狂人の自分を見て思うのだ。
 怖い、と。

 「昔からどこかネジが飛んでたと思うよ。 でもさ、ここに来てそれが決定的になって、だけどやっぱり後悔してないんだ。 後悔できない。 それってもう、人間じゃないんじゃないかなー、とか思うわけですよ」
 「大丈夫ですよー」

 自嘲気味に吐いた支離滅裂な言葉を、アマリはいつもの緩
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