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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第63話 襲撃の魔人サテラU
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 町の外から、巨大な影が近づいてくる。今は深夜。夜の闇が周囲を支配している時間帯だと言うのに、その輪郭ははっきりと見えてきた。その異形な姿を。

「……人ではない、な」
「アレは ヘルマン兵よりも遥かに巨体です」

 清十郎とリックは、僅かに滲み出る汗を拭う。
 それは、先ほどまで模擬戦をしていたから、と言う理由もあるが、これからやってくる相手が只ならぬ力の持ち主だと言う事を瞬時に理解した様だ。

「ちっ……!!」

 ユーリは、この瞬間、はっきりと判った。襲撃者が一体相手が誰なのかを。そして、考えられる最悪の事態の可能性もあると言う事を。

「テキ、シニン……。サテラサマノ メイレイニシタガイ セントウカイシスル」
「………」

 巨体なその姿。見覚えがある。あの時(・・・)のガーディアンの2体だ。

「清、リック」

 ユーリは静かに口を開く。
 あれ(・・)の事を手短に伝える為だ。リックも、現れた相手がガーディアンだと言う事は直にわかった。だが、通常のガーディアンのそれとは比べ物にならないと言う事は知らない様だ。……ガーディアンの力量は、その製作者の力量に比例する。
 つまり、持ち主が強すぎると言う事だ。

「……あいつ等はただのガーディアンじゃない。云わば魔人の使徒だ」
「っ!!!」
「……ほう」

 リックは驚愕し、清十郎は冷や汗を感じながらも、笑みをこぼした。
 魔人達の動きは正直判らなかったから、いつ現れてもおかしくない、と思っていたが まさかこのタイミングとは思っても居なかったのだ。まるで、奇襲をしてくるかのようなタイミング。あの者達の力量を考えたらそんな、小細工はしてこないだろうと言うのが、当初の考えだったのだが、当てが外れた様だ。

「2人とも気を抜くな。……集中力が切れたら、即殺られるぞ」

 静かに、そして力強くそう言うユーリ。その言葉には、確かに説得力があった。

「言われるまでもない。……面白い。この世界に来て、一番の強敵だ」

 清十郎は、2本の剣を抜き……、そして鞘を放り捨てた。
 かつて、自分がいた世界では その刀の鞘を捨てると言う行為は勝つ気がない、勝てると思ってないとされている行為だ。故に『敗れたり!』と言う台詞も伝わっている程だ。何故なら、戦いに勝てば、刀を鞘に納めるのだが、それを捨てているのだから勝負を捨てていると取られるのだろう。

 だが、清十郎はそうは思ってなかった。

 慢心の一切を捨て、そして退路をも断つ。相手は明らかに格上だ。2本ある鞘を捨て、少しでも身軽な方が良いに決まっている。

 ……あの2体の異形な姿の者を倒してゆっくりと鞘を拾えばいいのだから。


「此処が正念場。……リーザスの最後の砦
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