外伝 シンフォギア編 その1
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た表情を浮かべていた。
『実験は失敗。処分せよとの決定が下されたわ』
と、通信の先で初老の女性の声が聞こえた。
「でも、あれは…あの人はっ…」
ピンクの髪の少女が戸惑いの声を上げた。
『もはやあれは人ではない。聖遺物と人間との融合体。いいえ、もはや人ではなく聖遺物そのものといって良いかもしれない。あれはその破壊衝動そのままに周囲を破壊し、飲み込んでしまう』
「でもっ!?」
「お姉ちゃん。わたしは行くよ。お姉ちゃんは?」
「セレナ…」
『マリア…分りなさい。あれをそのままにしておく訳にはいかないのよ』
「分ったわ…セレナ、行きましょう」
「うん。二人でならきっと大丈夫だよ」
マリアと呼ばれた少女とセレナと呼ばれた少女は決意すると二人は何も持たずに何のためらいも無くヘリコプターから飛び降りた。
歌が…歌が聞こえる。
「seilien coffin airget-lamh tron」
「Granzizel bilfen gungnir zizzl」
輝く光が少女二人を包み込むと、地表に落ちる前にプロテクターが彼女達の全身を包み込んだ。
シンフォギア。
聖遺物のかけらの放つ力を人類が扱える形に変えたものである。
それは人類共通の脅威とされる認定特異災害、「ノイズ」と戦う為のものだ。
ノイズとは触れたものを炭化させて対消滅する未知の化け物であり、人間だけを襲う災害だ。
普通の人間では触る事も出来ず、触れた瞬間炭化する。
その位相のずれた相手を現世に対して調律し、攻撃が通るように変換し、消滅させることが出来る力。それがシンフォギアであり、起動には特殊な特定振幅の波動…歌によってしか発現しない。
その装者への適合者はなかなか見つけられず、そのノイズの脅威から人工的に適合させようと人間の方を調律するに至っていた。
シンフォギアを身に纏ったマリアとセレナが着地と同時にシンフォギアに備わったアームドギアを
抜き放つ。
マリアは突撃槍でセレナは銀色の西洋剣だ。
上からその落下速度も加味された一撃を、その黒い獣は腕を十字にクロスさせて受ける。
「くぅっ」
「くっ…」
「ガァッ!」
クロスさせた腕を抜き放ち、その衝撃でマリアとセレナが吹き飛んだ。
ズザザー
瓦礫の粉塵を巻き上げてマリアとセレナは着地。
「ガァッ!」
四足で身を屈めた黒い獣は一直線にマリアへと迫る。
「お姉ちゃんっ!?」
叫ぶセレナ。
「大丈夫よっ!」
マリアは背中から取り出したマントを盾に耐えていた。
「セレナっ!」
「うんっ」
セレナが背後からその銀の剣を振るう。
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