2話
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「では、またな。」
私は、リト達に別れを告げて、家から出る。実は泊まっていかないかと誘われたのだが、さすがに遠慮しておいた。というのも、私はこれから『アーチャー』としての仕事がある。まだ正確な依頼の内容はわかってはいないが、今日これから依頼主と出会う予定だ。さて依頼主との会合場所に赴くとしよう。
〜とある場所〜
「アーチャーさんでしょうか?」
「ふむ。君が今回の依頼主かね?」
「はい。さっそくで申し訳ないのですが、依頼の内容を聞いていただけないでしょうか?」
今回の依頼主は、緑色の綺麗な目をした金髪の女性だ。その容姿は、世の中の男どもなら一目ぼれしてすぐ告白してフラれてしまうほどだ。そして眼鏡をかけている。しかし驚くべきはそこではない。女性の象徴とでもいえる身体の一部があまりにも大きい。すれ違う人がつい二度見してしまうほどだ。現に、他の男性客も目が釘付けになってしまっている。
「あの…」
「ん、ああ。申し訳ない。あまりにも君が綺麗だったのでみとれてしまっていた。話を元に戻そう。君の依頼はなんだね?受ける受けないは話の内容を聞かせてもらってから考えるつもりだ。」
「み、みとれていたって…」
「…顔が赤いぞ?どうかしたかね?」
「い、いえ、なんでもありません。えっと、依頼内容なんですが…」
「少し待ってくれ、先に聞かなければならないことがある。君の依頼は暗殺や、誰かを殺してくれといった類のものだろうか?」
私は少し厳しめの口調で話しかける。これはかなり大事なことでもある。誰かを殺してくれなどといった類の依頼は基本的に私は理由を聞くことにしている。何故ならば本来そんなことを頼んで来るやつは復讐などの理由が主であるからだ。復讐などといった理由であるのならば、私はこの依頼を受けることは少ない。私がこういった依頼を受けるときは誰かの護衛といった形のものが多い。ただ単に誰かを殺すのは確かに殺し屋としては正当な仕事ではあるだろう。だが私はそれだけのために人を殺すようなことはしないのだ。ん?最初に人を弓矢で殺したじゃないかって?残念だがそれは違う。私はたしかに弓を射たがあれはしばらく気絶してもらっただけだ。殺してはいない。
「…違います。」
かなり威圧を込めた私の問いに彼女は意志を持った瞳で私を見つめ返してきた。
「…そうか、ならば私から言うことは何もない。君の話を続けてくれ。」
彼女に話を促したあと、彼女は驚いた様子で私を見た。
「信じるんですか?」
「何、君の本当に真剣な瞳を私は信じただけだ。それ以外の理由はない。」
「そうですか…」
彼女は安堵した様子でため息をついた。
「では、最初に君の依頼の内容を聞こうか」
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