1話
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結局のところ、私達はかなり話していたにもかかわらず、遅刻することはなかった。それはひとえに西連寺のおかげといえるだろう。彼女がプリンセスに注意してくれなければおそらく私達は遅刻していただろう。まぁそんなことは些細なことだ。
時間がある内にリトとプリンセス・ララについて話しておこう。デビルーク星の第一王女であるララは、デビルークの王、ギド・ルシオン・デビルークにお見合いを強制させられていた。それに嫌気がさし、逃げてきていたところにリトと出会ったのだ。その後、リトをデビルークに帰らないための言い訳にし、ララを連れ戻しに来たザスティンとリトが勝負をし、プリンセスの本当の気持ちを偶然にも代弁してしまったリトは、晴れて婚約者候補として認められたというわけだ。
では次に私とデビルークに関しての説明だな。まず私とデビルークは基本的には協力関係を築いている。何故ならば、私はギド・ルシオン・デビルークと戦ったこともある。結果?それは、引き分けだ。とは言え、お互い本気ではなかったわけだし、お互いが本気で戦えば、結果は…、ギリギリで私の勝利だろうか、しかし私も大けがを負うだろうし、はっきりとしたことは言えないが、お互いに致命傷を負うといったところだろうな。あまり深く考えずなくてもいい。結局のところ引き分けという結果には変わりがないのだからな。
さて、学生は学生らしく勉強するとしよう。
「うぅ〜。ハク〜…」
「どうした、リト。先ほどの授業で何かわからないところでもあったのか?」
「そうなんだよ!数学だけは苦手でさ〜…」
それはいいことを聞いた。…少しからかってみるか。
「ならばリト、私に教わるのではなく、西連寺に聞いてみるのはどうだ?彼女ならば、学年の中でも優秀だから、わかりやすく教えてもらえるのではないか?」
私はニヤリと笑いながらリトに提案する。
「なっ!何言ってるんだよ!ハク!そんなこと…」
「最初から出来ないと決めつけていては告白はおろか、距離を縮めるなどもっての外だと私は思うのだがな…」
「うっ…それを言われると…」
そう言ったきり、リトは黙って俯いてしまった。
「すまない、私が悪かった。今日の数学は私が教えよう」
「ほんとか!?ありがとう!」
本来ならばここで甘やかしてしまっては進まないとわかっているのだが、どうしてもこの奥手すぎるリトを見ているとお節介と思いつつも忠告をしてしまう。まぁ、プリンセスの婚約者候補でもあるから、他の婚約者候補から狙われないようにすべきか…。護衛対象が増えてしまったな。とはいえ、私が真に気を付けるべきは他の婚約者候補に雇われた殺し屋などだろうな。有名な殺し屋や、格上については、『最終奥義』を使わざるをえないだろう。さて読者の諸君はもう私
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