第三話「RSリベリオン・セイヴァ―」
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が混乱しているだけだ。
「ああ、それも厄介な相手だが、お前がRSを使ってくれたおかげでとりあえず、一安心できた。まずは、礼を言わせてくれ?」
「そんな……俺は、礼を言われることなんて……」
ふと、俺は男から視線をそらした。
男は、隣に置いてあるパイプ椅子に座った。
「仲間を救ってもらって本当に感謝している。本当に、ありがとう……」
「そんな……僕は大したことしていませんよ?」
照れくさそうに言う俺を見て、男は微笑んでこう言う。
「そう照れるなよ? あ、後で住所か電話番号を教えてくれ? とりあえず君の自宅へまでお送りしよう?」
「は、はい……」
しかし、俺は元気のない口調で発してしまった。それを、男は気に掛ける。
「ん、どうした……?」
「いえ、別に……」
「……」
男は、ひとまず間を開けてから喋りだした。
「何か、訳ありか?」
俺は、その問いに口では答えなかったが、わずかに頭で頷いた。
「他人とは言え、俺でよかったら話してみろよ? 解決しないにせよ、スッキリはするぜ?」
「……」
正直、他人に話すのはわずかに抵抗があった。だが、別に家族と言っても嫌っている存在だ。そんな奴らとの日常生活を触れられても嫌とは思わない。
しばらくしてから、俺はゆっくりと口を開けた。
「……俺、元から家族を嫌ってましたから」
俺の答えに、男は「そうか……」と、言わんばかりの顔をした。
「……しかし、どうしてまた?」
男にしてみたら、俺が家族を嫌うことに理解できなかったようだ。
「あ、いや……気に障ることを言ってしまった。すまない」
咄嗟に諦めた男だが、別にそこまで気にしていなかったため俺は彼に家庭でのことを話した。
「……家庭から、孤立しているんです。俺……」
そう俺は喋った。
「孤立?」
「俺は、エリア9に住んでいる住民でした。けど、俺だけはその中で一番出来が悪くて、両親や妹からはいつも冷たくあしらわれていて……」
「……」
男は、黙って俺の話を聞いていた。まるで、境遇は違えど、同類を見るような目で俺を宥めた。
そして、男はこう思った。
――こいつ、俺と同じ目をしてやがる。
境遇は違えど、同じ孤独を抱えているんだ。昔の自分となんとなく被る気がした男は、親しくこう語りかけた。
「……なぁ、『白騎士事件』って、知ってっか?」
「白騎士事件……あぁ、例のISを使った暴動事件でしょ?」
当時としてはあの状況下で被害件数が0件というのはどうも胡散臭く思えたが、それが影響でこんな歪んだ世界になってしまったのだ」
「それだがな、被害件数が0だなんてのは真っ赤な嘘さ?」
「……?」
俺は、男の顔を見上げた。男は構わず続ける。
「普通、あんな戦争沙汰みたいなことをしでかして被害0なんてナシだろ? 実際に目の前で人が
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