暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
102話:動き出す欲望
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 驚く二人、それに対し「だから言いたくなかったんだ」とでも言いたげな表情を浮かべる士。


「あの時―――ヴィヴィオを見つけたあの日、ヴァイスが操縦しシャマルとヴィヴィオと…レリックが乗っていたヘリに向かって、物理破壊系の砲撃が撃たれたのは何故か」
「何故って…」
「レリックが欲しかったからじゃないの?」

 確かに、そうともとれる。しかし士は首を振って続けた。

「それだけの理由だったら、簡単にガジェットを向かわせればいい。向こうには召喚魔法を使う戦力がいるのだから、俺達を足止めしていた時に送るなんて芸当ができた筈だ。
 それなのにわざわざ砲撃を撃ったのには、何か訳があるんじゃないか」
「むぅ…」
「確かに…」
「それでもや、だったらなんで撃ったのか、その理由がわからんやないか」


 反論するようにはやては言うが、士は逆にはやてを指差し言い返した。


「だから、あそこにはレリックだけじゃない……ヴィヴィオもいたんだ」
「…もしかして、レリックの他にヴィヴィオも狙ってた?」
「可能性は高い」

「だったらなんで砲撃なんや? さっき言ったようにガジェットにでも任せてもよかったやないか」
「確かにな。だがそれをしなかった…という事は、砲撃を撃たなきゃいけなかったとすれば、どうだ?」
「「「……?」」」
「もしあのまま砲撃が当たっていたなら、耐久性のあるケースに入れられたレリックは大丈夫だったとしても、ヴィヴィオが無事では済まない。それでも砲撃を撃ったという事は―――ヴィヴィオが無事でいる可能性があったから」


 わざわざ狙っている対象を、自分の手で消す訳がないのだから。


「無事でいるって…そんなの、あり得ないよ! ヴィヴィオは普通の―――」
「生体ポットに入れられていた子供が、普通の子供と言えるか?」
「ッ……!?」


 思わず立ち上がるなのは、だが反論の為の言葉が見つからない。
 逆に士はそんななのはを見て、「だから言いたくなかったんだ」と口にする。


「そもそもあの生体ポットの周辺には、壊されたガジェットが転がっていたんだ。ヴィヴィオが狙われる可能性は、重々ある」
「「「………」」」
「要するに、俺が残る理由は三つだ。一つはレリック、及びヴィヴィオの護衛。二つ目は万一の為の六課隊舎の護衛強化」


 士はそう言いながら、順々に指を立てていく。そして三本目を立て、


「最後に三つ目は…お前らが帰ってくる場所を、守るためだ」


 この後もう数十分程はやてと士の討論は続いたが、結局ははやてが折れ、士は六課に残ることとなった。























 ―――そして
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