暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
102話:動き出す欲望
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「―――なんで士君も付いて来ないんや!」
「だから、それだとこっちが手薄になるだろうが!」
「それに関してはシャマルやザフィーラも残すんや、心配ないやろ! それよりも陳述会の方を万全にした方がええやろ!?」
「そっちはそれだけの戦力いるんだから、心配ないだろ!」


 それよりもこっちの方が…! だからそっちは心配いらへんて!
 そんな口論の真っ最中に出くわしてしまったなのはとフェイト。なんだか状況が分からないまま、凄い剣幕で怒鳴り合う二人の間に入り、口論を止めに入った。


「ど、どうしたの二人して…!?」
「とにかく落ち着いてよ!」


 距離が空いてもいがみ合う二人。どういう訳か、事情を聴いていくと……


「はやてちゃんは、私達四人で陳述会を警備するつもりでいて…」
「士は、自分だけ六課に残ると言い張った、と…」


 そう、二人のそれぞれの意見が割れてしまっていたのだ。
 はやての考えは当初と変わらず、自らとなのは、フェイト、士によって陳述会会場の護衛をするつもりだった。

 しかしそれに士が待ったを掛けたのだ。どうしても、自分は六課(ここ)に残ると言うのだ。
 士としては、陳述会より六課の守りを強化した方がいいと判断したのだ。


「六課の方が大事って思うのは、わかるよ? でも今回狙われるのは、地上本部の方なんやで?」
「それでもだ。この六課にレリックが残っている以上、ここを狙ってくる可能性が高い。もしかしたら、この間みたいに戦闘機人で攻めてくる可能性がある」
「だからって、本部の方を疎かにする訳には…!」
「だから、お前達がいる。フォワードチームも、ヴィータやシグナムも。そこまでいれば、大抵の事件は大丈夫だろ」
「それでも万全に…!」

「ふ、二人共ちょっと…!」
「もう少し落ち着いて!」


 そう言い合う二人は、また頭を突きあうような口論に発展しそうになっていた。なのはとフェイトはすぐさま止めに入る。
 しかし士は遠ざかれたそばから「そもそも…」と言葉を続ける。


「中の警備は、デバイスの所持ができないんだから、どっちか一人こっちでもいいだろうが」
「そしたらこっちの戦力が落ちるやろ! 六課は結構強引な手を使って立ち上げた以上、それ相応の対応をせな!」


 確かに、その言い分も納得できる。と思うなのはとフェイト。
 ならば、士の言い分はどうなのか。確かに六課(こちら)側にも、ある程度の戦力を置いておきたいというのはわかる。しかしそれだけでは、はやての言い分の方が強いと思えてきた。

 そんな視線を、士へと向ける三人。流石に耐えかねた士は、頭を掻いてから口を開いた。


「―――ヴィヴィオだ」
「「…え?」」
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