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101番目の舶ィ語
第三章。音速を超えしもの
第七話。遭遇
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ゃんに見向きもせず、一刻も早くこの場から立ち去ろうという気概で俺を引っ張る。

「お、おい、ど、どうしたんだよっ」

やがてさっきのコンビニが見えなくなった辺りで解放された俺は一之江に尋ねた。
一之江の態度はあまりにもおかしい。スナオちゃんが『主人公』の名前を言った瞬間から血相を変えていた。
あの一之江をこんなに焦らす物語……そんなに凄いものなんだろうか?

「貴方という男は本当に恐ろしいものを引き寄せますね」

「そんなに凄いのか?」

そう指摘されると、確かに。『メリーさん人形』『魔女』『神隠し』『人狼』『悪戯妖精』『ベッド下の男』はどれもこれも恐ろしい都市伝説だが。

「あっちも主人公なんだから、仲良く協力とかは出来ないのか?」

それこそ、一之江の『仲間』達みたいに、情報交換とか出来たら助かるのだが。
主人公の知り合いがいない俺としては、別の『主人公』に会って話を聞いてみたいっていうのもある。

「……今から、まるで別の会話をしますが、これは前フリです」

「お、おう」

俺と一之江は話ながら大きな道路から隠れるように脇道に入っていく。小さな路地の入り口で立ち止まり。
一之江は真っ直ぐに俺を見つめて口を開いた。

「このままモンジが都市伝説を、今までと同じペースで集めていったら……合計百個。とてつもない時間がかかるのは解るでしょう」

「ああ、それは解る。やっぱそうだよな……」

ちょっと前に計算してみたが、週に一つ都市伝説を解決したとして、一年で48個。二年で96個。かなりの時間がかかる。それが二週間なら倍はかかるわけで。今のところ一之江と出会ったのは五月だから、2カ月で三、四個というペースだ。

「うん、かなり時間がかかるな」

このままだと一年で18個から20個くらいで。実に五年以上かかる計算になる。

「そこに、裏技があるとしたらどうしますか」

「裏技? 一気に物語が集まる技とかチートとかがあるのか?」

詳しくは知らんがゲームだとよくある、いわゆるズルみたいな技を裏技やチートという。
いきなり強くなったり、いきなりお金持ちになったり、そういうルールを逸脱して楽をする行為だ。便利だが、想定外の行為の為ゲームのシステムに負荷がかかったり、想定された遊びではない為、ゲームそのものがつまらなくなったりしてしまうこともあるとか。

「ええ、実は『こいつ到底百物語を集めるなんて無理だろ、ギャハハ』とか思っていたので、貴方がもうちょっと強くなってから言う予定だったのですが……割と事態は深刻ですので」

「そうか……」

さっきスナオちゃんが言っていた『終わらない(エンドレス)千夜一夜(シェラザード)』。
あれは一之江にとって、かなりの深刻な事態というこ
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