暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
捕食者の末路
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込んでしまう危険性がある。

「アタシもキツいな……」

「ボクも、これだけいるとねー」

テオドラとユウキも肯定した。

うむ、とヴォルティスは大きく頷く。

「解った」

「私は無視か……」

ヒースクリフが、正当過ぎるツッコミを入れているが、今は無視。

ヴォルティスは大きく息を吸い込み、叫んだ。

「聞けぃ、皆の者!!我らが六王はこれより単独での討伐を開始する!」

皆が耳を澄ませるのを待って、ヴォルティスは続ける。

「覚悟のない者は去れぃ!!!」

その声は、見えない雷となって討伐隊の間を駆け巡った。急いで散り散りになっていく、討伐隊を黒銀の騎士が見逃すはずがなかった。

傷ついた体を治そうと、文字通り死にものぐるいで逃げようとしているプレイヤーの一人に向かっていく。

「う、うわあああぁぁぁぁ!!」

「ユルオオオオオオ!!」

騎士の右手が、恐怖で身動きができないでいる男を鷲掴みにしようと伸ばされる。

だが──

「お前の相手は……」

テオドラが、凶刃の前に躍り出る。

そして、伸ばされつつある巨大な右手を、華奢な両手で掴み──

「アタシ達だろーがっ!!」

一本背負いの要領で、轟音とともに黒騎士を地面に叩きつける。

そして、そのままの勢いを殺さずに踵落とし(ネリ・チャギ)を落とす。ほんの少しだけ減ったHPバーを睨みながら、テオドラが後退する。

「逃げろ!」

固まっている男に怒鳴るように言うと、男は悲鳴を上げながら逃げていった。

「……フゥ、やっと誰もいなくなったな」

「これで存分に戦えよう」

「左様でございますな」

「わーい!」

十人十色の感想を漏らす六王達。

だがその中で、一人レンだけ異質なことをしていた。

「殺すころすコロスkillキルきる斬る……」

ブツブツと呟いているレンの右目が、徐々に深紅に染まっていく。

さらにレンの全身からは黒ずんだ煙が噴出する。

【Incarneit system starting】

キイィィィーンという何かが《目覚める》ような音が、頭から聞こえてくる。

「………みん…な……下がってて………危………ない…よ」

異様なレンの様子に、さすがに六王達は気付き、言葉通り一歩退く。

「は…は……修行して…て………よかった……これであいつを……」

レンは深紅の右目を見開き、叫んだ。

「ぶった切れる!!」

レンが轟音とともに消える。

同時に激しい金属音。

「ユルアアァァァァァ……」

黒騎士の絶叫、あるいは悲鳴。

地面に落ちる大剣と……右手。

「う…そ……」

「斬ったのか?今の
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