暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第144話 因縁に決着を
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傷は深い筈なのに……、まるで痛がる様子もまるでみせなかった。そして、更に赤く染まった眼を狭山に向け。

「そして、あの世界の刃は……もっと痛い!! こんなもんじゃない!!」
ずばぁぁぁっ!!!

 隼人の剣は右に薙いだ。扇状に振るわれたそれは、正確に狭山の右手を切断。

「は……!?」

 何が起きたのか判らない。脳が痛みの信号を発する刹那の時間。それは覚悟の時間。

 だが、この男にそんな覚悟は出来ていなかった。何をされたかすら判っていなかったから。そう、全ては終わっていた。

 あの重力魔法を防がれた時点で、隼人と狭山戦いは。

「ぎゃああああああああああああ!!!!!!! い、い、いだぁぁぁぁ!!!!」

 右腕を失った時の痛みで、ショック症状を起こしてしまった様だ。失った右腕は、硝子片となり消え去るが、尚も痛みは収まらない。それは幻肢痛と呼ばれる現象を忠実に再現していた。それは、皮肉にもこの男が設定したものだ。
 ……全ては目の前の男、隼人に究極の痛みを与える為に。

「……痛い、だと?」

 そんな狭山を見下ろしながら隼人は続けた。

「……お前が、お前が皆に、明日菜に、和人に……」

 頭に思い描いているのは、彼等の姿。あの世界で共に戦った事の全てを思い出したからこそ、浮かび上がる。そして、その中でも一際光を放っている存在がいた。

「……玲奈に!与えた痛みはこんなものじゃない!!」
ずがぁぁぁ!!!!

 裂帛の気合と怒気を元に放たれた剣閃は、かろうじて左手で持っていた伝説の武器。まだ発表すらしていない伝説級武器(レジェンダリーウェポン)をも斬裂きそして、喉笛に亀裂を入れた。

「げふあぁあぁぁぁぁ!!!」

 狭山は残った左手で喉を抑えながらのたうち回る。痛みの余り、涙腺も鼻腔も崩壊。顔面に存在するいたる体液を撒き散らしていた。

 転げまわる内に、狭山はある所まで転がった。

 そこには、控えていた彼女が立っていた。

「ひゃ、ひぁ……く、くひゃ……っ!!」

 強すぎる痛みの中、その姿を捉えた狭山は、無くなった右手と、現存する左手を必死に伸ばし、しがみつく様にその華奢な少女の身体に抱きついた。

「ひゃ、ひゃははは! ぐ、げ……っ!!お、ま、え……ぎひっ……、おまえ、に コイツを、コイツゴト、き、きれ、るか!?!?!?!?」

 それが、最後の足掻きだった。最も愚かで、滑稽な姿、だった。大の男が、過去に見下していた者にすがりつく。……彼女の事を、まるで道具の様に使い、そして 捨てた男が、最後に縋った者が、彼女だった。

「……汚い手で、汚い手で! これ以上サニーに触れるな!」

 リュウキにとって、大切な人だった。サニーも……自
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