すれ違った時間の分だけ
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て期待もあるのよね」
「散々困難を乗り越えて来てるギルドだからなぁ」
ウルティアと俺はそう言う。あいつらは何かと問題に巻き込まれる。むしろ、今回の魔力も実はあいつらを待っているのかもしれない。
「うん!!それよりさジェラール。どうして婚約者がいる、なんてウソついたの?」
メルディは夕飯を口に入れながらジェラールにそんな質問をする。
「う・・・聞いてたのか・・・」
「つーかシリルが読唇術で聞いたんだけどな」
さっき俺とシリルが聞いていたジェラールの“大嘘”はウルティアとメルディにちゃんと報告させてもらった。おもしれぇことになりそうだし。
「少しは自分に優しくしてもいいんじゃないの?それとも、自分への罰のつもり?」
「罰こそが魔女の罪の掟だろ?みんなで決めたじゃないか、光の道を進む者を愛してはいけない。俺はエルザが幸せならばそれでいい」
ジェラールは顔をうつむかせ、燃えている焚き火を見ながらそう言う。
「にしてももっとまともなウソなかったの?」
「最ッ低ねぇ、何カッコつけてんのかしら」
「男の風上にもおけねぇぜ」
「なっ・・・そこまでいうか!?」
俺たちから猛烈な批判にあい動揺するジェラール。
「つーか、シリルの奴がお前の婚約者、ウルティアだと勘違いしてたぜ?」
「なっ!?」
「なんでそうなるのよ!?」
俺がシリルの勘違いを伝えるとジェラールとウルティアはすげぇ嫌そうな顔をする。そんなに嫌か?この組み合わせ。
「ジェラールとウルティアが・・・アハハハハハッ!!」
メルディだけはシリルの勘違いを聞いて大爆笑してた。おかげで少し落ち込んでたジェラールにも元気が出てきたみたいだ。
まぁ、ジェラールのウソなんてエルザなら気づいているだろうし、これ以上気にするのはやめておこう。
その日俺たちはその場で休むことにした。
俺たちが夕食を食べ終わる頃、青い小さな動物が月に向かって飛んでいっていたらしいが、それがハッピーだったなんて俺たちには知るよしもなかった。
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