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バーサス〜PV200000突破記念短編〜
バーサス《上》
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る意味で思い出の場所だった。

「……なんでまた、そんな今更……だってあれは、内部で《六王神》がどうにかしてくれてるんだろ?」

 《六王神》。それは《レプリカ》の手によって再現された、創作神話の世界、『六門世界』を収める六柱の神々。現在は水と闇の二柱が抜け落ち四柱になっているが、補充をするつもりも、その呼称を変えるつもりも彼らにはないらしく、いまだに『六』の名を冠している。

 彼らはNPCだが、『ジ・アリス』を動かすシステム、《DVWs(ディーヴォス)》が、『異世界との間にゲートを構築し、その異世界を仮想世界としてこの世界に持ち込む』機能を有することを考えれば、彼らは《本物の魂を持った異世界人》ということに成る。

 ともかく、そんな彼らが管理をしているのだから、問題が起こる事なんてほとんどないと考えていたのだが。

 セモンの問いに、小波は苦笑しながら

「そうなんだけどね。向こうからじゃ対処できないらしい。この世界の人間が必要なんだとさ」
「じゃぁリーリュウは? あいつ、まだイギリスに居るだろ」

 今セモンと小波はALOの一角に集っているが、リアルワールドにおける二人の位置は、日本とイギリス、と遠く離れている。小波たちの本拠地がイギリスにあるためだ。
 セモンが口にした彼の友人は、今現在イギリスに居るはずだった。

 その問いに、小波は珍しく真剣な顔になって答えた。

「いや……アイツじゃ対処できないんだとさ。なんかまた特殊な資格がいるらしくてねー……で、お前にお呼びがかかったってワケ」
「……断れないじゃないか……」

 がっくり、と頭を垂れるセモン。

「そんなに長いミッションじゃないし、ログイン自体はお前の家でもできる様にしてあるだろ? 頼むよ、姉ちゃんにカッコいい所見せてくれ」
「……仕方ねぇなぁ……」

 そう言って、渋々……そして結局、姉の依頼を引き受けるのであった。
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