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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1〜2期/啓編
K13 胸の想いを伝えるために
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はもう「人間」じゃねえ。
 言葉なんかじゃ、自分を分かってもらうことも、相手を分かってやることもできねえ。
 できるとしたらそいつはもう「怪物」だ。「人間」の規格外品だ。

 2年前のツヴァイウィングのライブ生存者になった響ちゃん。弟のおれにもバッシングの余波はあった。今もある。だからおれは友達も作らないし、家族と未来ちゃん以外の誰にも心を開かないって決めてた。
 決めてた、のに。

 響ちゃんは白い子だけじゃなく、(本人はきっと意図してないけど)おれの心まで揺さぶりにかかった。

 あんなに全力全開で主張されたら、信じたくなる。
 目の前のこの女の子とも理解し合えるんじゃないかって。

「話し合おうよ! わたしたちは戦っちゃいけないんだ! だって言葉が通じていれば人間は」
「うるせえッ!」

 その響ちゃんを上回る、悲痛な、声で。白い子が響ちゃんの主張を全否定した。

「分かり合えるものかよ、人間が。そんな風にできているものか。気に入らねえ気に入らねえ気に入らねえ気に入らねえッ! 分かっちゃいねえことをぺらぺらと知った風に口にするお前がァッ!!」

 この拒絶反応からするに、おれら、この子の地雷踏み抜いたみたいだ。

 白い子は高くジャンプした。投げてきたのは、風鳴サンを瀕死に追い込んだビリビリ鉄球。
 でも慌てない。おれが持つのは、絶対防御のシンフォギアだ!

「持ってけダブルだ!!」

 バリアシールド展開。弾き返す。
 ダブルだろうがトリプルだろうが、後ろに響ちゃんがいる限り突破させるおれだと思うな。

「はあああぁぁ――」

 ! 響ちゃん、それまさか、前に風鳴サンが言ってた、ガングニールのアームドギア!?

「エネルギーはあるんだ。アームドギアに形成されないなら、その分のエネルギーをぶつければいいだけ――!」

 それもろにレベルを上げて物理で殴る的発想じゃねえかよ!! 右脳系すぎねえ姉上サマ!?

「させるかよォ!」

 白い子からダブルで飛んでくる宝石の楔。バリアサークル形成、さっきより大きめに! ――よし、防げた!

「雷を――」

 響ちゃんがおれを追い抜いて走っていく。

「握り潰すようにぃぃッ!!」

 腰のバーニアを噴いたことで、響ちゃんの推力は段違いに上がった。どんどん白い子に迫ってく。

 おっと。今度は後退させねえぞ。バリアドーム形成。ドームの中に白い子を閉じ込める!

「最速で、最短で、まっすぐに、一直線に! 胸の響きを、この想いをッ! 伝えるためにぃぃッ!!」

 響ちゃんが射程内に入った瞬間にバリアドームを消した。

 アームドギア分のエネルギーを込めた右アッパーが、白い子の腹をぶち抜いた! よっしゃあ!
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