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K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K3 影と添う
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、僕らの目論みは今夜で終わってしまいますからね」

 さすがに全て翼の真似はできないのか、キックを2発入れただけで青年は立ち上がり、緒川と距離を取った。

 緒川はすかさず銃を撃つ。限られた弾数を、青年は右へ左へ避けていく。

(この反射神経、ギア装着中の翼さんにも及びかねない)

 どうせ避けられるならば――緒川は青年の影に着弾させる軌道で銃を撃った。






 決して当たらない軌道で撃たれたヨハンは、避けることもせず、自身の後ろの床に弾がめり込むのを見もしなかった。
 それがアダとなった。

 足がその場から動かない。足だけでなく、体全体が。

Why(どうして)!?」

 母国語に戻るほど動揺した。

「あなたの影を床に縫いつけました。もう動けませんよ」
「影…床ですって? Chasing Shadow(影 踏 み)じゃあるまいし……っく、この!」

 いくら体を捻っても、足はその場に縫い合わされたまま動かない。

「本当はこの場で拿捕すべきですが、先にやることがありますので。あなたの言う通り、世界中の視線の檻から翼さんを解放してあげないといけません。大人しくしていてください」
「く…っ」

 緒川は銃口をヨハンに向けたまま後退し、やがて身を翻して走って行った。

 ひとしきり試すが、どうやってもその場から動けない。めり込んだ弾丸を外そうとしたが、屈むこともできなかった。

 本当に、心の底から遺憾で、致しかりしなのだが。

 ヨハンは通信機のチャンネルを切歌と調に合わせた。

「二人とも聴こえる? ヨハンだよ」
《どうしたの? 珍しい》
「マリアのとこに行く前に、ちょーっと助けに来てほしいんだけど」






 調と切歌は3分と待たずしてヨハンの前に現れた。

「ナニ変なポーズしてるデスか」

 切歌のうろんな目がヨハンの胸に突き刺さった。

「は、はは。まあ、ちょっと。エキゾチック・ジャパンの洗礼を受けたというか。――切歌。お願いしてもいいかな。()()()()()
「しょうがないデスねー」

 切歌は紅いペンダントを取り出すと、ヨハンからも調からも距離を取り、祈りの手を組んだ。


            「 ――Zeios Igalima rizen tron―― 」


 聖詠。シンフォギアを纏う時に詠う、特定のメロディ。
 切歌のそれは、さながら枯れた大地すら緑茂らす、潤しい音色。

 装着時のエネルギードームが消える。
 小悪魔テイストデザインのギアを纏った切歌は、手に持った鎌を大鎌へと変形させて構えた。

「動いちゃだめデスからね。――っは!」

 
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