暁 〜小説投稿サイト〜
僕のサーヴァントは魔力が「EX」です。
二回戦開始
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 夢を、見た。

 満天の夜空の下、見覚えのない草原の中で建てられた祭壇の周りで、大勢の人達が何かを一心に祈っていた。

 祭壇の上にいたのは一人の女性。その女性はお腹が大きく膨らんでいて苦しそうに呼吸していることから妊娠していて、今にも子供が産まれそうなのが分かった。

 祭壇の周りにいた人達の中で一番高齢そうな一人の老人が「まだ産むな」、「まだその時ではない」と言って、その言葉に女性は表情を強張らせて必死で我が子供が産まれるのを堪えている。

 そしてそれからどれくらいの時が経ったのか、星空を見上げていた老人が「産め! 今がその時だ!」と言い、許しを得た女性は一人の子供を産んで祭壇から産声が聞こえてきた。

 その直後に祭壇の周りにいた人達が全員、喉が割れんばかりの歓声を上げて「待ち望んでいた子が産まれた!」とか「我が一族、最強の力だ!」とか口々に叫ぶ。

 これが「彼女」がこの世に産まれた瞬間であり、同時に「彼女」が人ではなく「道具」あるいは「兵器」として生きていくことが決定した瞬間であった。

 ☆

「………ん?」

 奇妙な夢を見て目を覚ますと、そこは学校の教室に畳を敷き詰め、その上に机等の家具を置いた微妙に変わった部屋……というか僕達が利用しているマイルームだった。

「何なんだ、あの夢は? ……?」

「すー……、すー……」

 僕が布団から体を起こして辺りを見回すと、自然と隣の布団で眠っているアヴェンジャーに目がいった。昨日の戦いの疲れがたまっているのか眠りは深いようでしばらくは目覚めそうになかった。

 ……そういえばサーヴァントと契約をしたマスターは、夢でサーヴァントの過去や心の風景を見ることがあるって聞くが、もしかしてあの夢は彼女の過去なのか?

「考えてみたら僕って、アヴェンジャーの事を何も知らないんだよな……」

 僕は一応、アヴェンジャーの真名が日本の伝説の妖術使い「瀧夜叉姫」でその伝説も知っているが、それは彼女の一面にすぎない。

 父親である平将門を殺されて一族が滅ぼされた時、アヴェンジャーがどんな気持ちで五月姫から瀧夜叉姫と名乗ったのか、そして朝廷と戦ったのか僕は何も知らない。

 僕とアヴェンジャーはこの聖杯戦争で命を預けあうパートナー同士だ。それなのにお互いの事を知らないというのは少し寂しい気がした。

「……まあ、焦らなくてもいつかは教えてくれるだろ」

 アヴェンジャーの過去を知りたいと、理解したいという気持ちはあるが今は聖杯戦争に集中しなくてはいけない。そう思って枕のそばに置いていた携帯端末を見てみると、そこにはすでに運営からの通達が来ていた。

【二回戦の対戦相手を発表する。二階の掲示板にて確認されたし。】

 ☆

 眠っ
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