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我が剣は愛する者の為に
新たな旅の仲間
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天の御使いこと北郷一刀が俺と共にこの国を平和にするという目標を決めた。
今後の方針を二人で相談する。

「それでこれからどうする?」

床に胡坐をかいて俺に今後の方針を聞く。
この街に留まる訳にもいかない。
主に金銭的な意味で。
師匠と国を回っていた時に宿の値段は違いがあったが、この宿は結構高い。
一週間分くらいは何とかなったが今後も泊まるとなるときつい。
それに一刀も一緒に行動する。
その分のお金を考えないといけない。
とにかく、俺は頭の中で考えている事を説明する。

「まずは国中を回る。」

「国中を?」

「天の御使いの噂は管輅という占い師が広めている。
 どれも信じるに値しない妄言として受け止められるだろう。
 だから、国中を回って本当に天の御使いが現れたというのを知ってもらう。」

「確かにこの時代の人はそういう風評とか占いとか信じているしな。」

「妄言と言っても今の国の治安や貧困などを考えると、天の御使いと言う占いを聞けば心のどこかでは信じている。
 それにお前の存在を知って貰えば、知名度は一気に広まる。」

「当然、縁の名前もな。」

一刀は笑みを浮かべて言う。
友をダシに使うやり方だが、これが一番一刀の知名度を上げるのに一番最善だと思う。
現にこの街では一刀が天の御使いなのでは?、という噂は流れている。
おそらく一刀の知名度は上がっても俺の知名度は上がらないと思う。
精々、付き人がいると思われるくらいだろう。
それでもいい。
俺は自分の実力でのし上がって行くつもりだから。
俺が思っている事は口にしないで軽く頷いて言葉を続ける。

「実は国中を回る目的はもう一つある。
 これはついでみたいなものだが。」

言葉を区切って俺は言う。

「お前を強くする。」

「へ?
 俺を?」

「そうだ。
 武力も知力も俺が学んだことを全部お前に教える。」

それをする理由が分からないのか一刀は眉をひそめる。
なぜこんな事をするのか俺は説明する。

「天の御使いはこの国にとってどれほど重要な意味があるのか説明したな。」

一刀はコクリ、と頷く。

「管輅の占い内容はこの乱世を治めるのはお前という事になっている。
 これは民達にとってまさに希望の星だろう。
 だが、それ以外の人にとってはどうだ?」

俺の言葉を意味を上手く理解していないのか一刀は首を傾げる。

「お前がこの世界に来る前、それぞれの刺史や州牧などは自分のやり方でこの国を何とか平和にしようと政策している。
 そのやり方に良し悪しがあれどだ。
 身を粉にする思いで国のために尽くしてきたのに、突然やってきた天の御使いが現れて国を救う。
 その手柄は自分ではなく天の御使い
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