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我が剣は愛する者の為に
新たな旅の仲間
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力でくるつもりか?」

「流石にそれはしない。
 手加減はする。」

それを聞いて安堵の息を洩らす。
流石に俺もそこまで鬼ではない。
一刀が反応できるギリギリの剣速でいくつもりだ。
そこから徐々に上げていく。
無駄口を止めて、剣気を放つ。
一刀は俺の剣気を浴びて身体が震えている。
それを誤魔化すように木刀を強く握っているのが分かる。
最初にしては上々。

「行くぞ。」

俺はそう言って一メートルの距離を一瞬で埋める。

「あ。」

一刀は全く反応できないでいた。
そのまま俺の木刀の横一閃の一撃をまともに受けて横に転がる。
起き上がる気配はない。
どうやら気絶しているようだった。
俺は頭をぼりぼり、とかきながら気絶している一刀に言う。

「やりすぎたか?」

当然答えは返ってくる事はなかった。
一刀が目を覚ましたのはそれから数刻してからだった。
結局、一刀は俺の木刀を受け止める事はできないでいた。
毎回毎回気絶してもらっても困るので手加減はしている。
今は大の字になって地面にあおむけで倒れていて、そのまま夜空を見上げていた。

「ああ、星が綺麗だな。」

現実逃避しているようだった。
俺は聖フランチェスカ学園の制服を投げ渡しして言う。

「最初の方は誰でもそんなものだよ。
 俺も師匠と修行している時は同じ様に大の字で倒れていた。」

「でも、全く反応できなかったのはそれはそれで悔しい。」

「その心があるだけで充分だ。
 今日はもう寝ろ。
 朝になっても修行するんだからな。」

制服に着替えながら一刀は聞いてくる。

「縁は寝ないのか?」

「ああ。
 いつ賊が来るか分からんからな。」

「それだと何だか悪い気が。」

「気にするな。」

「でも・・・・」

「どうしても気にするなら強くなってから恩返ししてくれ。
 それで充分だ。」

まだ何か言いたそうにしていたが何を言っても無駄だと分かったのか。
毛布を被りながら一刀は寝る前に言う。

「ありがとう、縁。」

お礼を言って一刀は寝始める。
案外、疲れていたのかすぐに寝息は聞こえた。
何となく俺を修業をつけてくれていた師匠の気持ちが分かった気がする。
弟子を持ち、それが強くなるところを想像すると師弟関係と言うのも悪くはなかった。
気配がした起きれるように仮眠をとりながらその日を終えた。
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