暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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性プレイヤーだ。一目で強気と分かる視線が柔らかなブロンドの奥から不機嫌に細められている。その一歩後ろには垂れ目気味の弱気気味なほうがあわあわと狼狽えている。

さらにその後ろには、山猫のように柳眉を逆立てた少女がいた。一瞬だけ目が合ったが、あっという間に逸らされた。だが、即座に距離を取られた先刻から比べたらある程度譲歩してくれているところを見ると、少なからず機嫌は戻ってくれたらしい。

思わずほっと息をつく俺の隣で、意味ありげに微笑んできたユウキがレンの肩を押して腰を持ち上げた。

「はいはいレン。ボク達は行くよ〜」

「え、でもキリトにーちゃんも」

「もー、なんでそういうトコで気が回せないかなー」

唇を尖らせながら、ボックス席から退出する少女は、すれ違い様に肩を叩いてくる。そっと耳に流れてきた限りなく圧縮された囁き声は、ギシリと俺を凍らせるに足る威圧感を持っていた。

「――――でもキリトォ。あんまり()()()が過ぎると……わかってるよね?」

「は、はぁっ……!?な、ななな何を言って」

裏返ったりどもったり忙しい俺の様子を最後に一睨みしてから恐ろしく満足げな笑顔を浮かべ、《絶剣》と呼ばれた少女は少年の背を押しながらゆっくりと退出した。

それと入れ替わるように、しっかりとした足取りでペールブルーの髪を持つ少女がボックス席に入ってくる。

藍色の瞳がじろりと俺を見下す。猫っぽい、というよりもすでに豹レベルの剣呑さだ。

「……や、やぁ」

放って置いたら永遠に続きそうな重い沈黙に耐えかね、軽く片手を上げたが、反応してもらえるどころかチッと鋭い舌打ちのようなものが聞こえてきた。

それが口を開くきっかけにでもなったのか、小さな唇が大きく空気を吸引し、うわあついに怒鳴られるのか、と俺は首を縮めたが、発せられたのは勢いのいい溜め息だった。

どすん、と俺の向かい側の席に腰を投げ出し、少女は再びそっぽを向いた。

ドーム中央のホロパネルを見上げると、予選開始までのカウントダウンは六分を切っている。

この後どうすればいいのか、俺はまったく知らない。開始前に更にどこかに移動しなくてはならないのか、あるいは何らかの手続きが必要なのか、それらの情報がどこに書いてあるのかすら解からないのだ。

首を縮めつつもそわそわ身体を動かす俺を、少女は再度一瞥した。そして再度、深い深いため息。

「……名前」

「はい?」

ぽつりと放たれた言葉を危うく聞き逃しそうになり、俺はとっさに聞き返した。すると倍以上になった声が耳朶を打った。

「名前!教えなさいよ!……あれだけ色々レクチャーさせたんだから、それぐらいの対価は要求したっていいはずよ!」

「き、キリト……です
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