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101番目の舶ィ語
第ニ話。夜霞のロッソ・パルデモントゥム
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のように回してヘアーをしているのをなんとなく見える。
ドリルヘアーなおっさん、とかいたら即刻通報してやる。
金髪でドリルヘアーなら、女の子と思うのは間違った先入観だろうか?

「まあ、性別のアレンジくらいよくあることです。『なんとか男』という名前が付いた都市伝説のくせに女の子だったこともありますからね」

「そんないい加減でいいのかよ!」

「ロアは女性である率が高いと言ったではありませんか」

「それも……そうか」

理由は解らないが、オカルトというのは女性と深い関わりがあるような気がする。
白雪やジャンヌ、ヒルダに、パトラ、メーヤにカッツェ、リサ……前世関係だけでも多くの女性達がオカルト関係の奴らだった。

「嬉しいでしょう?」

「夢を見ているようだよ」

まあ、むさいおっさんよりマシだが。
いや、病気(ヒス)持ちの俺としてはおっさんの方がいいのかもしれないが。
ヒステリア地雷を踏まない為にも美少女よりいいかもしれない。
そんな風に若干、現実逃避をしながらも俺は首にハンカチを当てたまま『赤マント』の方を見た。
向こうも俺達を見ている。
遠目過ぎて細かい顔立ちまでは解らないが……どちらかといえば、俺というより一之江を見て笑っているように見えた。
そう見えたのは……さっきの『間違えた!』という発言があったからだろうか。
そんな風に思った俺が一之江の方をふと見たその瞬間。

「一之江っ!」

「っ!」

一之江の背後から、いきなり白くて細い手がぬっと現れ、一之江の腕を掴んだ。

「これは……」

一之江はいきなり掴まれた腕を離そうと抵抗するが、その腕がどんどん……何もない空間へと引きずり込まれていた。
まるで、何もない空間に見えない壁……というよりは、透明な水面でもあるかのように。
引きずり込まれた一之江の手は、その水面の先から、ぷっつりと無くなっているのが見えた。

「そうでした。赤マントは少女を誘拐する存在でしたね」

無表情にそう呟く一之江。
少女を浚う存在だから、一之江が誘拐されそうになっている。
そういう存在が目の前にいると淡々と彼女は告げた。
俺はさっきの『赤マント』の発言を思い出す。
『男なんていらないもの』。
そう彼女は言っていた。
それは、自身が少女を浚う存在だからそう言っていたのだ、というのをこの時理解した。
ロアである以上、物語をなぞるのは当然だし、逆に言えば決められた物語以外の行動は取りにくいというのがロアである以上、足枷になる。
だからそこに勝機を見出せる。
そう思ったその時。

「その通り! わたしは、『少女』である以上はみーんな攫っちゃうんだから!」

こちらのピンチな状況にはそぐわない、明るい声がどこからともなく響
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