暁 〜小説投稿サイト〜
ワールド・エゴ 〜世界を創りし者〜
『世界断絶』−finish next history−
lost story1−『傲慢』−
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e ulciscendumque compelleretur. 》

 ──"常世を統べる絶対者なり"──(Quamdiu mundus perveniat ad ruinam)

 ──"今再び我は謳おう"──(Etiam semper conatus fuerit videre gehennam)

 ──"我に仇成す総てを祓わん"──(Si ego possum facere velim,)


────"無限の光を束ねし剣"────(Nulla)』」


 総てを照らす輝きが解き放たれ、万物を裂く剣が横一文字に薙ぎ払われた。

 ──勝てない
 
 少なくとも、今のワールドの力では勝てない。
 ワールドの持つ力は、時間と空間を操る異能、そして圧倒的な迄の基礎能力。どちらも、力を持つ者達の中でもトップクラスの異能。

 だが、逆に言ってしまえば"それだけ"だ。
 相手は全く同じ異能を持ち、加えてさらなる異能を持っている。
 1人の平凡は2人の平凡に勝てない。
 10000の天才は、20000の天才には勝てない。
 それは、当然の理だ。

「world time……ッ!」

 全世界の時を止める、たった一言が紡がれる。
 空を流れる気流は静止し、天を覆う雲もその動きを止める。

 だが、光の剣はその動きを止めない

「……ッ!──Quick time thousand burst(自体加速『×1000』)!」

 自らの肉体の時を、加速させる。その速度は、通常の1000倍。
 ワールドの体が残像を残し、消え去った。

「遅いな」

 ふと。
『8番』は。
 ワールドの心臓を。

 ──貫いた。

「……け……は……ッ……??」

「時を操る我が力の前では、肉体の加速など全く意味のない事だ。『1番』の奴め、見誤ったな」

 ──強すぎる。

 能力のみでもそうだが、経験も違いすぎる。
 能力の使い方、体の運び方、相手の行動の予測、磨き上げられた技。

 全てに於いて、ワールドのソレを凌駕している。

 ──痛み

 ソレは、AIであったワールドとは無縁だったモノだ。
 電気信号の集合体に痛覚など無い。故にワールドは痛みを知らない。

 ──これが、痛みか。

 辛い。苦しい。不快感が全身へと広がり、耐えられないような激痛が心臓辺りから広がっていく。
 正に、人間だ。

「……は、はは」

 無意識に笑みが零れる。

 そうだ。
 俺は人間だ。
 AIなんかじゃない。

 時が巻き戻り、ワールドの傷が修復されていく。
 やがて完治すると、ワールドはニヤリと笑った。

「まだだ……死んでたまるか
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