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トップアイドルプロジェクト
第1話 僕のクラスメイト
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、何も言わず本を勢い良く奪ってその場を走って去ってしまった。

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その日の夜。
僕は自分の部屋のベッドの上に寝そべって、ぼーっと考えていた。
彼女、前川みくは傍から見ていて超がつくほどの文学少女だと思っていた。
たぶん僕以外の見解も同じだろう。
それが、バックから出てきたあの本。
他にバックには本らしきものは入ってなかった。
となると、休み時間あんなに一生懸命読んでいたのはあの本だろう。
彼女とアイドル。
普段の彼女からは決して交わらいであろうこの二つ。

彼女はアイドルになりたいのか?
はたまたもしかしたら本屋でたまたま面白そうだから買って読んでみた
なんてていう線もありえる。
うーんなんか、唐突な組み合わせになんともモヤモヤな気分である。

翌日の放課後。
僕はホームルームが終わるとさっさと帰り支度を済ませ、
学校の正門の前に待ちかまえていた。
「前川さん!」
昨日からのモヤモヤを解消したいその一心で、不審者覚悟で待ち構えていた。
自分が呼ばれると思ってなかったのか、猫のようにビクッと体を震わせ
こっちに目をやる。
「な、なんですか」
平静を装っているが明らかに目が泳いでいる。
「前川さんって・・・そのさ、アイドルになりたいの?」
そう彼女に問うと、彼女は昨日と同じく顔を赤くし、何も言わず走りだし
その場を走り去ってしまった。
結局このモヤモヤは解消されないままであった。

その日の夜。
僕は近くの河川敷にいた。
周りに何もなく静かで何か悩み事や考え事をする時よくこの河川敷に来てぼーっとしている。
前川みくのこと。すごく自分の好奇心や興味だけなのだが、一度触れてしまった以上
なんだか、真実を突き止めないとなんだか気持ちが収まらない。
彼女にしてみればはた迷惑かもしれないのだが。
恐らく彼女自身誰にも知られたくない真実なんだろうけど。
すると、微かであるが誰かの歌声が耳に入ってきた。
どこかで聞いたようなそんな曲。
しかしその声は心地よく、思わず引き込まれそうになりそうなそんな歌声。
僕はその声に引き寄せられるように、歩を進めていった。

そこには女の子が一人。川に向かいただただ歌い続けていた。

僕は彼女に気付かれないよう、後ろの草むらに座り込みその歌声を聴き続けた。
めちゃくちゃうまいわけでもない。けれどなぜだかわからない、人を引き込む歌声。
こればっかりは努力だけではどうしようもない、才能である。

最後まで聴き終わると、僕は思わず拍手をしていた。
その拍手に気づき彼女はこっちを振り向いた。
暗くてわかりづらいが、きっとさっきみたいに顔を赤くしているのだろう。
「もう逃
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