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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第2章 夜霧のラプソディ  2022/11
11話 微かな道標
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 アルゴの入手した情報の詳細によると、目撃されたレアエルフはすべからくズムフトへ流れる川沿いの道と、往還階段から西に伸びる道に挟まれた森の奥へと逃亡したようだ。ある程度は探索の範囲が狭まったとはいえ、それはあくまで推測の域を出ないし、くまなく探すというならば決して気軽に出来る面積でもない。それに当のレアエルフが出現するという以上、出現地点から大きく離れているものの、通常のエルフとの交戦も視野に入れなければならない。
 《迷い霧の森》に入ってから四時間、すっかり昼の時分に掛かりつつも足取りに休憩の気配を感じない。前衛兼探索要員として俺を先頭に、色々な意味で切り札的役割であるヒヨリを最後尾、戦闘向きでないアルゴを不意のモンスターとの接敵に備えて中央に据えたPTは、霧に鎖された森を南下、仮想の捜索範囲である森を一旦離れて、往還階段西側に向かおうとしていた。


「リンちゃん、そこの茂みはトレントがいるから迂回してくれヨ」
「解った」


 ……と、このようにアルゴの持つ仔細なマップ情報や《索敵》スキルによるモンスターの早期発見によって、戦闘を避けての探索が可能となっていた。より多くの時間を探索に注ぎ込もうというのである。目論見に反して手掛かりは依然として掴めないものの、次の目的地では二度も目撃報告が挙がっている。何かしら収穫が得られればいいのだが。


「……燐ちゃん、これって?」


 件の森を道に抜けて、往還階段側の森に踏み込んでから百メートル弱の地点で、今度はヒヨリが声をあげる。視線の先には、確かにフィールドに漠然と存在するには違和感のあるものが転がっていた。それは、第一層のボス攻略の際にキリトが携えていたものと同一の片手剣《アニールブレード》だった。抜き身で転がっていたそれは刀身に無数の傷が刻まれ、刃毀れもひどい。柄尻に羽の根付が取り付けられていて、ダメージを除けばそれが唯一の特徴となっていた。


「………耐久値は、かなり減ってるな。ただ置いてあったわけじゃなさそうだ」
「誰かが《取り落した(ドロップした)》ってことカ?」
「だろうな。ただ、第三層で叩き落とし(ディスアーム)を使うモンスターなんて聞いたことがないから、転んで落としたか、それこそイレギュラーだな」
「これ持ってた人、大丈夫かな………?」
「少なくとも第三層で狩りをしていたようだし、引き際は心得ていたんじゃないカナ?武器の取り落しも拾わないで放置しているんダ。まさに《いのちをだいじに》だナ。ヒヨリちゃんが心配してるようにはなってないと思うけどナー」


 確かに、引き際は心得ていたんだろう。しかし、ディスアーム系のスキルもなしに武器を取り落したとすれば、《転倒》から発展して《武器落下(ドロップ)》を引き起こしたとしか考えられない。加えて
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