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ロード・オブ・白御前
もう一つの運命編
第13話 幕開け
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なかった。その結果があり、今日の初瀬と城乃内の関係がある。

「歩み寄ろうとする相手からも、一生逃げ続けるつもりか?」
「分かってらあ。それでも! こう、お前みたいに堂々としてられる奴ばっかじゃねえんだよ。世の中誰でもお前基準で話が通ると思うなよ」

 立ち上がる。もうこのくらいの勢いがなければ城乃内と向き合うなどできない。

 初瀬は戒斗へのむかつきを気力に、ずかずかと階段を下りていった。
 下で待つ城乃内と「話をする」ために。





 裕也は、スーツのジャケットとネクタイを脱いで水や栄養食を配る光実を見やり、それとは別に仲間たちと話している紘汰を見やった。

「ミッチ〜」
「はい。何ですか、裕也さん」

 光実は持っていた物資を一旦置いてから裕也の前まで来た。
 その光実の腕をがっちり掴んだ。

「おーい、紘汰っ。ミッチが話があるってさ」
「ちょ、裕也さん!?」

 紘汰が話を切り上げて裕也の前に来る。
 腕の中で光実が暴れているが、逃がしはしない。

「込み入った話になるから向こう行こうぜ」
「あ、ああ」

 紘汰のほうも光実に対しては気まずいらしい。

 裕也が光実と離れている間に何があったか。大体の察しはつく。だからこそ、けじめが必要なのだ。

 階段の反対側の裏に来てから、裕也は光実の腕を離した。

「――できるよな? お前は強い子だ。俺が保証する」

 光実は今にも泣き出しそうなコドモの顔をしたが、小さく「はい」と答えた。
 光実が紘汰の正面に立った。

「紘汰さん――」
「お、おう」

 光実は勢いよくその場に膝を突き、頭を下げた。――土下座した。

「今まで本当にすみませんでした!!」

 当の紘汰は面食らい、目を白黒させている。

(ヤバイ。シリアスな場面なのに紘汰の顔に笑っちまいそう。堪えろ、俺。ミッチと紘汰が関係修復できるかの正念場なんだから)

「僕の独り善がりな行動で、あなたも舞さんも、お姉さんもラットもリカも、たくさんの人を傷つけた。今さらどんなに謝っても許されるなんて思いません。でも、だからって、謝らないでいていいわけじゃないと思うから。だから、本当に――ごめんなさい!」
「――顔、上げろよ、()()()

 光実は恐る恐るといったふうに上体を起こした。
 その光実を紘汰は両腕で抱き締めた。今度は光実が目を白黒させる番だった。

「俺がミッチを許さないわけないじゃねえか。仲間だろ、俺たち」
「でも、僕がしたことは」
「これから先、どれだけ長く歩くか分かってんのか? それに比べりゃ、大したことねえって」
「そんな理由で……僕を、許すんですか?」
「ああ、許す」

 紘汰は光実を
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