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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 29 「空港火災」
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「ブルーローズ、砲撃を行ってもいい場所を探してくれ。そこに砲撃を撃ち込んで一気に地上に出る」

 ブルーローズは俺の指示を速やかに実行し、砲撃位置を割り出した。剣尖をそこへ向け、砲撃に必要な魔力を集約していく。これまでの修練と補助システムによって凍結変換は迅速に行われ、砲撃準備は通常の砲撃と大差のない時間で整った。
 冷気を纏った閃光が疾る。
 発射が終えるのと同時に飛行を始め、砲撃で出来た穴を通って地上へと駆け上る。地上に出ると、煌びやかな光を放っている星空が飛び込んできた。火事が起こっていなければ、ゆっくりと眺めることもできたことだろう。

「ショウくん!」

 声がしたほうに意識を向けてみると、騎士服を纏ったはやてがこちらに向かってきていた。彼女の近くには男性魔導師が2人ほど確認できる。

「運命的なタイミングでの合流やな」
「バカ言ってないでやるぞ」

 いつもならば反応が冷たいだの返ってくるところだが、はやてはすぐさま広範囲魔法の準備を始める。おそらく凍結の魔力変換を行うため、発動までには少し時間が掛かるだろう。
 俺はシステムの補助があるので必要な詠唱を考えても少々時間がある。なので近くに居た魔導師ふたりに声を掛けて周辺に生命反応がないか確認する。

「仄白き雪の王、銀の翼以て」

 はやての魔法の出力を考えると、俺がフォローしなくても消火は完了しそうではある。だが念には念をという言葉があるだけに、俺もやれるだけのことはしておくべきだろう。

「凍てつく結晶、集いて剣片となれ」
「眼下の大地を白銀に染めよ」

 はやての掲げるシュベルトクロイツの周囲には白い立方体が4個出現する。見た目は地味だが、あれは圧縮された気化凍結魔法に他ならない。着弾すれば周囲の熱を瞬く間に奪い取ることだろう。

「万物を止める礎となれ」

 俺を中心に青白い光の輪が出現し、凄まじい勢いで回転する。それは徐々に範囲を狭め、ブルーローズの刀身の周りで回り始める。

「来よ、氷結の息吹!」
「建て、氷河の楽園!」

 はやてがシュベルトクロイツを振り下ろした瞬間、4個の立方体が撃ち出される。ほぼ同時に俺も剣の先端を空港へ向け、回転していた青白い光輪を撃ち出す。
 はやての放った凍結系広範囲魔法《アーテム・デス・アイセス》が着弾した直後、魔法の効果が発動し急激に熱を奪い始め建物ごと凍結させていく。その際、周辺の空気も冷やされるため、結晶化した水分が煌びやかな光を反射する。
 俺の放った《グレイシア・オブ・エデン》はそれを押し付けるように着弾し、より強固に空港を凍結させていく。はっきり言ってはやてだけで充分だっただろう。俺が居たことで変わったことなんて、安全確認を行っていた局員達に冷気が及ばなかったことくらいだ
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