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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 @
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「へえ、このゲーム盤、実際に入ってみるとこんな感じになってるんだ・・・」
「ま、そうだな。・・・懐かしいだろ?」
「うん。・・・すごく、懐かしい」

湖札はそう言いながら、そのゲーム盤を見る。そこは・・・かつて、まだ鬼道の一族が存在していたころ、彼らが暮らしていた神社そのものなのだ。
既に先ほど一輝と十六夜によってつけられた傷跡は消えているので、湖札が懐かしむのも仕方のないことだろう。
余談だが、今この場にはこの二人以外にも、ジンとペスト、リンを除いた“ノーネーム”、殿下一派の主力陣が一切被害の出ない場所から二人の様子を見ていて、黒ウサギは上空から審判をするために待ち構えている。

「・・・うん、よしっ」
「もういいのか?」
「うん。出来るなら、ここで兄さんと一日くらい懐かしみたいんだけど・・・兄さんを倒して隷属させれば、いつでも懐かしめるからね」
「あー、まあ確かに、いつでも懐かしめるのは事実だよな。・・・俺が倒しちまえば、湖札は俺に隷属するんだから」

声を揃えてそう言った二人は、同時に日本刀を抜いた。
一輝は師子王を、湖札は村正を。もはや二人ともその動作がなくとも奥義を使えるのだが、そろって妖刀を抜いた二人は、それを自分の前に横向きで構えて、言霊を唱える。

「「我、今ここに汝の降臨を(こいねが)う」」

それは、檻の中の神霊を呼び出す言霊。

「汝は中華の軍神。悪妖を従え、八十一の兄弟と共に天下を横行したもの」
「汝は日ノ本の女神。荒ぶる嵐の神より生まれ、その猛気を体現したもの」

一人は先祖が殺め、自らに封じた鍛冶の神を。一人は自らの手で殺め、封じた荒ぶる女神を。

「我はここに汝の力を求める。汝、我がために兵器を作り出せ」
「我はここに汝の力を求める。汝、我がために全てを投げ飛ばし、全てを噛み壊せ」

それぞれが、この場に降臨する。

「今ここに降臨せよ、蚩尤!」
「今ここに降臨せよ、天逆毎!」

そうして二人の隣に、二柱の神が降臨する。
一柱は、牛の頭を持つ巨大な神。一柱は、鳥のような頭を持つ、人間サイズの神。
二人はそれぞれの神に手を触れ、再び言霊を唱える。一息に、やることを終わらせる。

「「我、今ここに大いなる神の力を希う。我が血族の名は鬼道。鬼の名を持つ一族也。故に我は我が身の丈を考えず、神にならんと欲す。汝、その大いなる力を我に貸し与えよ」」

彼らの言霊に応じて神と妖刀が(ほど)け、輝く霧となって彼らの体に入っていく。その結果、一輝の額には鉄が埋め込まれ、湖札の耳は長く伸び、とそれぞれの神の面影が現れ・・・神と、なった。

「・・・さ、準備は完了かな?」
「うん、これで準備完了。それじゃあ、ゲームを開催しようか」

湖札が言うのと同時に二
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