暁 〜小説投稿サイト〜
秋葉原総合警備
都外のアニメフェス No.8
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「美咲は先に事務所に向かってます。ちょっと重要人物が現れましてね。しかし親父さん…何でここに?」
「頼まれた仕事終わって、ぶらぶらしてたらよ、街頭テレビに速報が映っててな。それで美咲が仕事してるんじゃねぇかと思って、すっ飛ばして来た訳だ。」
「ありがたいですけど…俺ら、最初断ったんですからね?」
 親の勘なのか、心配性なだけか、どちらにせよ恐ろしいものだ。秀人の応急処置も進んでいる。
「にしても陽一、何でこんなに規模がデカくなってんだ。」
「かなり悪質な、誘拐計画です。…お陰で警備員は金で犯人側に着いて、散々ってことです。」
 勿論、秀人の行動はただの被害者と言えど、賞賛に値する。陽一に着くとは、いい目を持ってやがると、何ともいかつい褒め方だが。
「ただ、応募であそこの警備員やって…何が怒ったか、分からなかったんです。実は俺も、近藤千夏さん知ってて、犯罪巻き込まれっぱなしも嫌だし…、陽一さんに味方しました。…あ、ごめんなさい!」
 正気を取り戻せば、ここはヤクザだらけの車の中。萎縮するのも当然だが、美咲の父を始め、何だか鼻が高いように大笑い。陽一も責めたり、馬鹿にする様子もない。気が楽になったか、秀人にも明るい笑いが。


「後で、代表がそちらに伺います。本当に、ご迷惑をお掛けしました。」
「ありがとう、助かった。千夏さん…着いたよ。」
 優しく頬を叩いて起こしてみる。気絶とは知らずに、居眠りから覚めたように目が僅かに開く。
「ここは…?」
「うちの事務所。もう大丈夫。」
「逃げ切ったんですね…。」
 恐らく、途中の言動を覚えていなかった。心開いたように、自然な表情で美咲について来た。運転手も長居は出来ないので、ここで戻ることに。
 応接のソファに千夏を座らせて、冷たい飲み物をそっと置く。まだ浮かない顔だった。まだ怖いという気持ちが漏れている。先程、千夏の行動を必死に止めた時に分かった。既に喉が潰れた時の声だった。いくらこの先、復帰の様子が見えても、気迫の演技は出来ない。そう感じた。
「もし、こんな事にならなかったら…これからどうしようかって、思わなかったの?千夏さん。」
「……家に帰りたかったです。」
「やっぱりそうだよね…。」
 話を進めてみれば、声優を目指す途中にも、長閑な田舎はそれなりに考えていたようだ。
「私が甘い考えだったから…こんなことになったんです…。」
「完全否定は出来ないけど…、特別に悪質だよ、こんなの。」
「………。」
 ますます美咲は努力の差と、受けた傷の深さを痛感する。気まずいながら、振り絞って話を進めた。
「とりあえず一段落したら、これからどうする?」
「あの…、しばらくここで働きたいです。声優業をしながら…。」
 自ら捕まると言えば、人間不信かと思えば、首を絞めるほど襲っ
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