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乱世の確率事象改変
其処で繋いだ友達のカタチ
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「だよなぁ」

 うん。その通りなんだ。霞が言うようにコレに答えなんて――待て。

「……おい」
「お、丁度ええ湯加減やな♪」
「なんで此処に居んだよっ」
「にしし、そんなん決まってるやんか」

 まさかそんなわけはないと思いつつも顔はそちらに向けない。湯船の後ろから声がしたが、俺が居るのもお構いなしに彼女はザバッと湯に浸かった。

「ふぃー……風呂入りに来た。当たり前のこと聞くなやどあほぅ」
「なんで俺が入ってる時間に来るんだよこのバカ!」

 絶対どや顔してやがる。前を見てると彼女のつま先が湯の中に映った。
 並んで座るカタチなのが幸いだが……混浴なんてさすがにやめて欲しい。一応、俺も男なんだ。

「知らーん。あんたぁが入ってようが入ってまいがウチはこの時間に入りたかった。それが全てやもーん」
「もう少し恥じらいを持てよ……」
「んなもん要らん。ってかウチに欲情するん? 幼女趣味の徐公明が?」
「てめぇら幼女趣味幼女趣味ばっかり言いやがって……クソ……」
「あっははっ! 落ち込みなや!」

 さすがにもう否定できない所まで来てるし、無駄なのだ。ゆえゆえやえーりん、ひなりんや朔夜と一緒に居るだけで俺はそのレッテルからは逃げられない。
 帰還してひなりんと一緒に月光の上に乗ってた時、向けられた民からの生暖かい視線といったらもう、ね。思い出しただけで落ち込む。
 隣の霞は絶対にやにやして見てるはずだ。間違いない。声がおちょくる時の声でしかないのだから。

「まあ、いっちょ裸の付き合いってやつしてみたなったんよ」
「男同士なら分かるんだが……なんとなくお前さんが言っても違和感が無いのが困る」
「うっわ、ひっど! ウチかて女やのにぃ!」
「明みたいなおちょくり方すんなバカ。華も恥じらう乙女って柄じゃねぇだろがよ」
「にゃはは! バレたか! せやけどウチかて誰彼かまわずこんなことするわけちゃうんやでぇ?」

 誘うような声を出して来るのは、お遊び。信用ありきだろうけども、やられっぱなしは性に合わない。

「はいはい、サラシ女が言っていい言葉じゃねぇよ」
「お? サラシの良さが分からへんのか? 動き易くて乱れへんし、胸も気にならへん。戦うにはもってこいや!」
「そういう意味じゃない――――」
「邪魔するぞ」
「おお、先に来てたのか霞」
「そりゃウチ、神速やし?」
「こんなとこで神速を発揮するなバカモノ」

 話をずらしてきた霞に言い返そうとしたのに、また爆弾がやってきた。
 霞は後ろからだったけど元譲と妙才は前から。なんでこいつらはこう、自分の魅力を分からないのか。いや……俺はどうでもいいってわけか。
 とりあえず目を瞑った。見ないように。見えないように。たわわに実った果実と瑞々
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