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妖精の義兄妹の絆
エドラスでの出会い
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すぐには答えてくれなかった。次第に重い口を開く。
「それは言えない。」
「教えてシャルル。オイラ自分が何者か知りたいんだ。」
「私もです。お願いします。」
「言えないって言ってんでしょ!!!自分たちで思い出しなさいよっ!!!!」
シャルルはハッピーとエマを怒鳴った。
それを見ていたタクヤは一息入れて言った。
「フー…じゃあ話はそれくらいにしていっちょ行くか!?エドラス。」
「だな。」
「アンタたちまったく理解してないでしょ。」
シャルルは先程から怒鳴ってばかりだ。いつの間にかタクヤたちのペースに乗っていた。

ぎゅるるるるるるる

「ナツ…。オイラ、不安でおなかすいてきた。」
「そりゃ元気の証だろ。エドラスにみんながいるんだろ?だったら助けに行かなきゃな。」
「どうなの?シャルル。」
ウェンディはシャルルに聞いた。
「おそらく…。いるとは思う。だけど、助けられるかわからない。
そもそも私たちがエドラスから帰ってこられるかどうかさえ…。」
つまり最悪の場合は二度とこの世界“アースランド”には帰ってこれないという事だ。
それでもタクヤたちの決心は変わらないようだ。
「まぁ…その時はその時だ。」
「仲間がいねぇんじゃこっちの世界には未練はねぇけどな。イグニールの事以外は…。」
「私も。」
「みんなを助けられるんだよね?オイラたち。」

ぎゅるるる

まだハッピーのおなかは鳴り続けている。
「私たちのせいなら私たちがなんとかしないと…。」
シャルルは少し迷いながらも決心したようだ。
「私だってまがりなりにも妖精の尻尾の一員な訳だし…母国の責任でこうなった疾しさもある訳だし…、
つれてってあげない事もないけど…いくつか約束して。」
シャルルはタクヤたちにいくつかの条件を提示した。
「私がエドラスに帰るという事は“使命”を放棄するという事。
向こうで王国の者に見つかる訳にはいかない…。全員変装する事。」
「オレらもか?」
「シャルルはそれでいいの?」
ウェンディはシャルルに聞いた。
行ったことがないにしろエドラスはシャルルたちの故郷だ。もしかしたら家族がいるかもしれない。
「いいの。もう決めたから。」
シャルルはあっさり承諾した。
「そして、オスネコとメスネコ。私たちの使命については詮索しない事。」
「あい。」
「わかりました。」
ハッピーとエマもシャルルの提案に承諾した。
「3つ目…私も情報以外エドラスについては何も知らない。ナビゲートはできないわよ。」
「了解。」
タクヤたちも承諾し、シャルルが最後の提案を言う。
「最後に…私たちがあなたたちを裏切るような事があったらためらわず殺しなさい。」
この一言に全員が息を呑んだ。
「オイラたち…そんな事しないよ。」


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