暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外27話『レディ〜イドーナツ!』
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の頂点から手刀をまっすぐに振り下ろした。

「海の刀」

 手刀を受けた水柱が、急激に水の刃へと変化した。以前、黒檻のヒナの艦隊を破るときに用いた海の宝刀の小規模版だが、その威力は折り紙付き。カポーティの海面割りとハントの海の刀がぶつかり合い、一瞬だけせめぎあったかと思えばカポーティの水の刃が霧散。そのまま海の刀がキューティーワゴン号へと襲い掛かることとなった。

「な!?」
「うそ!?」
「シャッ!?」

 キューティーワゴン号の彼らが皆一様に驚くも、今度は先の大岩のように回避するタイミングがないほどに鋭く、結果、必然的に着弾。

「いやん、ボートが斬り飛ばされちゃったわ!」
「ぬあー、海坊主め! だったら次は――」

 そう言って魚人空手を発動しようとするカポーティに、だが気付けば彼の体から8本のロビンの腕が生えていた。まるで締め上げるように関節を極めるその腕に、カポーティでは如何ともしがたく「何だ、うわっ!?」と身をよじるだけで精一杯。

「八輪咲き、フリップ!」

 そのまま船を牽引するホシザメ、モンダの頭へとバックドロップでカポーティの頭部を叩き付けた。
 見事に両者ノックダウン。
 一時的とはいえ、キューティーワゴン号はストップすることになった。

「お、おい、海坊主って二つ名は伊達じゃねぇぞ。カポーティがドーナツレースで何もできてねぇってのは初めて見た!」 
「あの黒髪のねーちゃんは悪魔の実の能力者だぞ!」
「あ、なんか俺褒められて――」
「――いいから、さっさと船を漕ぐ!」

 観客側から漏れる声に、ハントが軽く頬を緩ませるもナミに頬を引っ張られてすぐさま船を漕ぎ始める。

「……けどこれじゃやっぱり追いつけないわね」

 船をけん引するモンダたちに対して、麦わら側はただただ船を漕ぐだけ。さすがにこれだけ機動力に差があってはレースとしては如何ともしがたい。気を失っていたカポーティとモンダもすぐに意識を取り戻したらしく、縮まった距離がまた開き始めた。

「ね、ハント……ボートが壊れない程度に船を引っ張ってみてよ」
「また難しい注文を……普通のイカダとかなら問題なかったんだろうけど」
「じゃあ、私と航海士さんがボートのきしみ具合を見ながらで、漁師さんが徐々にスピードをあげていくのはどうかしら」
「そうね、それが一番いい気がする。どっちみちこのままじゃあいつらに追いつけないし」
「了解……徐々に、だな」

 頷き、ハントはそのまま着水。
 ウソップに一応は、と作ってもらっておいたタルタイガー号を引っ張れるロープを体に括り付けてゆっくりと動き始める。
 それらを見て笑うのは、もちろんタルタイガー号よりも随分と先に行っているキューティーワゴン号の面々。

「アハハ…
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