暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外27話『レディ〜イドーナツ!』
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覆しそうになるほどに不安定な態勢となったタルタイガー号へと、ポルチェが「お先に失礼! 簡単に沈んじゃいやん、よ! 楽しませてね!」という言葉と共にホシサメのモンダに船を引かせて、先へと進む。

 とはいえ、タルタイガー号は今はそんなことを気にしている場合ではない。

「……て、転覆は免れたな」
「転覆したらこの船だともう沈んでリタイアってことになりそう」

 ハントとナミがホッと、一息――

「見て、何か飛んでくるわ」

 ――つく間もない。

「岩!?」

 しかも、大きい。
 タルタイガー号ごと人間を押しつぶさんといわんばかりの巨大な岩だ。

「……んー、これならなんとかなるかな?」

 あわてて漕ごうとするナミとロビンを尻目にハントが跳躍。そのまま大岩を受け止め、先をいくキューティーワゴン号へと投げつけて見せた。
「きゃあああ」
「なにーーー! モンダ、回避! 回避だ!」

 味方の援護射撃でいきなりリードを得て余裕の雰囲気を醸していた態度から一転、悲鳴をあげて大岩を避けることとなった彼らの姿を見ていたハントが真っ先につぶやく。

「よし、今のうちに漕ごう」

 オールをこぎだそうとするハントに、それよりもナミが呆れたように「……あんた、アレで無理してないの?」
「え? ああ。体はなんともないし、でもあれぐらいなら」

 平然と答えるハントに、ロビンはロビンでおもしろそうに「普段はどういう筋力をしてるのかしら」

「……うん?」
「っていうかアンタ船を引っ張って泳いだ方が早いんじゃないの?」
「いや、それは俺も思うけどたぶんこのタルタイガー号がもたないんじゃなかな」
「……問題はボートの方なのね。今更だけどハントって……なんだろう……恋人にいうセリフじゃないかもしれないけど……なんというか、オカシイわよね」
「というか本当は魚人なんじゃないかしら」
「……頑張ってる人間になんか酷くね?」

 一応、船を漕ぎながらの会話だが、真剣勝負をしているとは思えないような会話に、それが聞こえていたキューティーワゴン号側のカポーティが「なめるなよ!」と声を発した。

「うふ、見せてあげて魚人空手」
「ウオ!」

 気合一閃。

「海面割り!」

 海を手刀て叩き割る。その勢いのままに水面が、まるで刃と化してタルタイガー号へと襲い掛かる。

「ハント!」
「おう!」

 ポルチェの言葉にカポーティが呼応したのと同様に、ナミの声に呼応してハントが海面を叩くと同時、おおよそ人間大サイズの水柱があがった。本来のハントならともかく今のハントならばこの程度の水柱が限界だろう。だが、今回はこれでも十分。
 垂直にあがった水柱が重力にひかれて海面に戻り始めると同時、その水柱
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