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銀河英雄伝説〜美しい夢〜
第十五話 蠢動
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が勝てないと見れば撤退すると……」
「ほう、しかし良いのか?」

「無様に敗北するよりは良いだろう」
「それはそうだが……」
思わず溜息が出た。クレメンツも溜息をついている。思うようにいかない事に、勝てないという現実に苛立ちが募る。紛らわすかのようにワインを一口飲んだ、口中が苦い……。

溜息を吐いている私達にシュトライト准将が話しかけてきた。
「いずれ、フェザーンは今回の事を後悔しますよ」
「?」
「外見からは想像できませんが閣下は内に相当激しいものを持っています。その閣下を敵に回したのです、必ず後悔する。それに……」

「それに?」
問いかけたクレメンツにシュトライト准将が笑いかけた。
「閣下はここ最近頻繁に反乱軍の星系図をフイッツシモンズ少佐と確認しています。なにやら思うところが有りそうですな」

クレメンツが意表を突かれた様な顔をした。なるほど、まだ負けたと決まったわけではないか……。
「どうやら諦めるのはまだ早いようだな、クレメンツ」
「そのようだな、楽しませて貰えそうだ」
ワインを一口飲んだ、苦味は消えていた……。





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