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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-29
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 なにより自分自身、自由に動ける立場にいないから実質あの二人に敵はいないのかもしれない。


 ――――そう言えば、ラウラの奴は見袰衣と矢鱈と親しい仲だったような気がする。いや、あれはたしか気のせいではなかった筈。
 あいつがあんな表情をするなんて思いもしなかったのだから。けれども、そうなってくるとラウラも亡国機業に所属している可能性が出てくる。バカな、あいつは愛国心の塊のような奴だぞ。そんなことがあっては――――!
 千冬の中で電撃が迸った。今まで欠片でしかなかったパズルのピースが一瞬のうちに組み立てられた。


 考えてみれば、ラウラと蓮が親しいのはおかしい。蓮は軍属ではないし、ラウラも一般常識を全く知らない生娘だ。どこにも接点なんてものは見当たらない。だったら……どこかの組織で出会っていたと考えるのが普通なのではないのか? いや、たまたま彼女が待ちに出かけていた時に出会ったと考えるのは……有り得ない。訓練の鬼のような奴が、一日も訓練を怠らないあいつが街に出るなんてことは全くといっていいほどないはずだ。
 よくよく考えてみれば見るほどおかしな点がどんどん浮かんでくる。ということは、あいつの先ほどの態度からして近い未来にあの組織が行動を起こすのは、ほぼ間違いないとみて問題ないだろう。
 これは本格的に拙いことになってきた。
 ただ、確信が得られない。これまで考えてきたことは全て想像の域を超えないのだ。直接問い詰めてもしらを切られればそれで終わりである。それでもある程度可能性はあるとみて、これから自分がどうするべきか。


「…………山田先生」
「はい、何でしょう?」
「例えばの話だ。もし、あの二人。御袰衣蓮と篠ノ之束の二人が世界の敵になったらどうなる?」
「ええっ!!?」
「例えばの話と言っているぞ。……どうなると思う」
「……はい。おそらく世界の半分は壊滅するでしょう。ISの生みの親である篠ノ之博士は勿論、御袰衣君の操縦ははっきり云って異常です。あんなに自分の体を顧みない高速戦闘なんて到底できるものではないんです。そしてその戦闘センスはモンド・グロッソ前回大会の格闘部門のヴァルキリーであるイーリス・コーリング以上。数で押し切れば被害は抑えられるかもしれませんが、ISは博士が向こうについている時点で無力化されるのは目に見えていること。もし無力化されなくとも生半可な操縦者ではなすすべがない。……織斑先生、本当にもしもの話なんですよね?」
「ああ。……今はな」


 真耶は自分で推測したことに恐怖を抱いた。こんなことは実際に起こって欲しくない。起こったら最悪世界は壊滅する。そう思って身震いをする。
 だからか、千冬がボソッと呟いた言葉に気付くことはなかった。


 二人の会話から数分経つが、相も変わらず二
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