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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-29
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の相手とみていいかもしれないが、一夏には負ける気なんて更々なかった。格上だからなんだ、開発者だからなんだ。勝てるかどうかじゃなくて勝つ。


「喜んでもいいんだよ? この束さんが直々に手解きしてあげるんだから」
「別に、いい。俺は聞きたいことが聞ければそれでいいんだ」
「へぇ、なにかな? 面白いね、聞くだけ聞いてあげるよ」
「――――どうしてこんな敵対するようなまねをするんだ。たかがこんなことをする必要性なんてあるのか?」


 瞬間。束の顔から表情が消えた。何も映そうとしない瞳が一夏を見据える。


「……お前に、お前に私の何が分かる!?」
「分かるわけない! だけどその苦しみを一人抱え込むよりはましだ!」
「…………もういいよ。結局織斑一夏という存在もそこら辺の有無無像と同じだったんだ。期待した私が馬鹿だったよ。……よし、行くよ? 手加減なしの、全力全開で」
「――――! 望むところだっ!」


 二人の距離が一瞬でゼロになる。一夏が振り下ろす雪片を束はその側面を叩くようにして右手の剣を振るい、弾かれて体が開いたところを左手の剣で横に薙ぐようにして振るう。
 一夏はそれを咄嗟の判断で後ろに無理やり下がって避ける。そうして開いた間を束は詰めて右手の剣で斬り上げる。半身になって避けるとその勢いを利用して雪片を右から振る。さらに二次移行(セカンド・シフト)して新たに増えた左腕についている雪羅の荷電粒子砲のチャージを始める。
 束はさらに一歩間合いを詰めて左手の剣を白式に突き刺す。それを避けることも出来ずに直接くらう一夏。絶対防御が働いて大きくエネルギーを削る。半ばやけくそ気味に荷電粒子砲を放つがひらりと余裕を持って避けられる。


 再び二人の間に距離が出来た。
 お互いに息を合わせたわけでもないが、ほぼ同時に瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い、刹那の間に雪片と二刀の剣がぶつかり合って衝撃波を巻き起こし、眼下に広がる海にさえ若干の影響を与えた。









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