暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico15幸を願う者には福が来る
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き焼き鍋3つは欲しい。なのは達の調理が終わり、いよいよ俺たちの番となった。

「アインス」

「ああ」

「シャマル」

「ええ」

「「「八神家魂! オオッ!」」」

はやて直伝味付けのすき焼き、なのは達に見せてやろう。

†††Sideルシリオン⇒アインス†††

私は消滅したはずだった。しかし私は今、こうして主はやてやルシル、リイン、騎士たち、それになのはら友人と共に食卓を囲んでいる。どうして未だに存在しているのか解らない。けれど、今はその事は忘れようと思う。この優しく温かく、幸せな時間を暗くしたくないから。

「ルシルとシャマル先生とアインスのすき焼き、本当に美味しいわね」

「シャルとフェイトとアリシアのも美味いけど、野菜の切り方がすげぇ雑だよな」

「すずかちゃんとなのはちゃんとアリサちゃんのはキッチリ切れてるんやな〜」

作り主が違えば味も食材の形も千差万別。だが、どれも美味しいすき焼きだった。食べ終えて食器や鍋を水に浸し、いよいよバースデーケーキの時間だ。ルシル、なのは、フェイト、アリシア、シャル、アリサ、すずかがケーキに10本のロウソクを円形に刺す。ルシルが火を灯し、リインが部屋の明かりを消すと、部屋は真っ暗になり、ロウソクの火だけが儚げに私たちを照らす。
そして「ハッピーバースデー・トゥ・ユー♪ ハッピーバースデー・トゥ・ユー? ハッピーバースデー・ディア・はやて〜? ハッピーバースデー・トゥ・ユー♪」誕生日を祝う歌を歌い、主はやてがロウソクに勢いよく息を吹きかけて火を消す。火はその一度で消え、「おめでとうー!」大きく拍手で祝う。

(火を一度で消すことが出来れば願い事が叶うという。・・・主はやての願い。叶ってほしいものだ)

ケーキの後はプレゼント渡し、そしてお喋り。笑顔と笑い声に満ちたその時間を、私は見守った。死ぬのは辛い、消えるのは苦しい。でも、最期の最期まで笑っていようと思う。絶望ではなく希望を残すために。


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