暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico15幸を願う者には福が来る
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†††Sideアインス†††

主はやて達が時空管理局は本局・特別技能捜査課の仕事で家を空けている間、私が家事一般を行う決まりになっている。もちろん私が買って出たことだ。私の後継騎であるリインフォースUが生まれ、あの子に私の魔導の全てを与えたことで、私がいま扱える魔法は思念通話のみとなった。単独戦闘もユニゾンも満足に出来なくなった私には、もうこれしか八神家を支えられる術はないから。

「おや、アインスさん。今日は1人かい?」

「あ、はい」

今は買い物途中だ。そして私に声を掛けたのは、私が贔屓にしている肉屋の店主。私はスーパーで買い物をするより、こうして店の者と直接話をしながら買い物をしたいため、少し家より遠いが商店街を訪れることにしている。人と話していると、私は今ここにいると、自分の存在を認識できるから。

(闇の書の終焉からもう半年近く。おそらく私の終わりも近い・・・)

今日は6月4日。そう、私たちの敬い慕う、幼き主である八神はやての誕生日。私たちが未だ“闇の書”と称されていた頃、主はやてとお会い出来たあの日だ。もう1年と経ったのだな。

「それで今日はどうするかい? どれも新鮮、どれも美味! 当店自慢の肉ばかり! アインスさんは美人さんだからね。お安くしておくよ」

「いつもありがとう、店主。・・・では、すき焼きに合うお肉をください」

主はやての誕生日を今夜祝うため、なのは達を家に呼んですき焼きパーティをすることになっている。そのための買い物だ。なのは達もそれぞれ食材を持ち寄ってくれるそうだが、人数が人数だ、こちらでも用意しておくべきだろう。
肉屋を後にし、次は八百屋へ向かう。そんな中、「うおっ、アインスさん、どもっす!」男子学生数人が私に気付いて90度に体を曲げて一礼した。その光景には商店街の人たちや客も慣れてしまっているおかげで騒ぎは起きない。

「私に会うたびにいつもそのような真似はしないで良いと言っているんだが・・・」

「いえっ! 命の恩人のお1人には常に義を以って挨拶を!」

高校生と呼ばれる歳の男子学生たちは礼をやめようとしない。命の恩人と呼ばれるようになってかれこれ2ヵ月少し。私とルシルとシグナムの3人でこの商店街を回っていた時、私たちはこの学生たち(あの頃は不良と称されていたな)に絡まれた。いわゆる、ナンパ、というものだ。当然、私たちは無視していたのだが、彼らはそれが気に入らず暴れ出した。

(それを、こちらも力づくで止めたのだったな)

魔法は使えずとも、オーディンより教わった格闘技が私やシグナムにはある。喧嘩慣れしているとは言え素人相手に負けるわけがない。で、この学生たちを退治したことで商店街の人たちから感謝され、八神家は有名になり、人気となってしまった。
それから
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