エイプリルフール番外編 【シャナ編】 その1
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それは記憶のかけらだった。
本来ただ消え去るだけの物だった。
だが、何の奇跡か…いや、神のいたずらか、それはそれだけで転生してしまった。
しかし、それは不慮の事故であったため、彼は本来持っていたものの大半を失うことになる。
失った物は数多い。
ゼロ魔式魔法、変身能力、リンカーコア、各種マジックアイテム、簒奪した権能や各種耐性など。
残った能力の方が少なく、残った物は記憶と先天性のものは写輪眼のみだ。
いや、よくそれだけでも残ってくれた物と感謝はしている。
後天的に習得可能な技術については修行でどうにか会得できる。
念法、忍術、剣術、食義などの体得は時間は掛かったが可能であった。
オーラ総量は以前と比べるまでも無く、リンカーコアも無いために魔導は使えない。まぁソルも居ないから使えたとしても有用には使えないのだろうけれどね。
目下の努力目標は空を自在に飛ぶこと。
空を自在に飛び回るのは人間本来には持ち得ない事のようで、今ある技術では実現には至らない。
まさかここに来て原初の憧れを抱こうとは、因果な物だ。
生まれた世界は地球系の傍流で、時代は中世ごろ。ギリシャ南部の山奥の村に生を受けたようだ。
穏やかだった山村での生活が一変したのは15を迎えた秋の事。
小さな収穫祭での事だった。
「…なんだ?」
世界が揺らぎ、空の色が褪せたように感じられる。
それは炎の揺らぎを幻視させ、そして唐突に変化は起こった。
「なっ!?」
人数の少ない山村だが、そこにひあ50人ほどの人数が今日のこの日を楽しんでいたはずだ。
だが、それが一変。人間がいきなり爆発する。
「きゃーっ!?」
「な、なんだよ、なんなんだよっ!?」
響き渡るのは村人の恐怖の声。
一人、また一人と爆発し、しかしその身体は散りも残さず光と消えた。
「何が…」
とっさに万華鏡写輪眼・桜守姫で事態を見つめる。
一人、二人と爆散するのを検分すると、何か大きなオーラが人間に入り込み、その量に器を保てなくなった人間が爆発して消えているようだ。
流れ込むオーラも色や質が違っている事から、誰か一人が起こしている現象なのかまではまだ推察が出来ない。
「逃げ場は…」
何処までが影響圏外なのか。取り合えず離脱を試みる他は無いのだろう。
だが、その試みは不可能だった。
「ぐぅ…」
足元に蒼銀の炎が揺らいだと思えば何者かが自分の中へ入ってくる感覚。
侵入してくる何かは俺の体を強制的に作り変える。何ものかが入り込む器として。
しかし、この量だ。普通の人間ならば入れきる前に耐え切れず破裂するだろう。
オ
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