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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【東方Project】編
069 君臨している神
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SIDE OTHER

「そ、れ、で…? ……夜半にこそこそと家から出ていったと思ったら、私という女がいる家にそれまたいきなり女を連れ込んだ理由を話して貰えるかしら、ね? ……ア、ナ、タ?」

真人がミナを“サモン・サーヴァント”にて召喚した翌朝、朝食をやたらとギスギスした雰囲気で摂り終えた数分後。これからの会話の先導性(イニシアティブ)を握る為だったのだろう。最初にそう切り出したのは輝夜だった。……その3人の構図や雰囲気はさながら、夫の浮気を、浮気相手と一緒に問い詰める妻=cと云ったところか。

絶対零度も斯くやの、輝夜の視線が真人の身体を余す所無く付き刺さる。……然もありなん、輝夜からしたら近くに絶世の美少女(わたし)≠ニ云うものありながら、ミナ──これまた美女を連れ込んで来たら真人を満足させられなかった…≠ニ女のプライドを刺激されてしまうのも無理の無い話。

……ちなみミナの光り輝く金髪や、豪奢な武具は平安時代やら飛鳥時代やらではやたらと目立ってしまうので、真人が即興で用意した、“フェイス・チェンジ”の魔法が掛けられたマジックアイテムで、髪は黒く見せてあり、一旦鎧も解除している。

閑話休題。

……また、ミナのこの場≠ナの発言権は輝夜の目力()によって、半ば強制的に凍結させられているのでミナは大人しくしている。……幸か不幸か、それにより辛うじて発言権が残ってしまって≠「る真人がどんな目に遭うのか…。その辺りはご愛敬だろう。

また閑話休題。

「待て、待て待て。待つんだ輝夜。……そうだな、まず最初から説明しよう」

輝夜からのちくちくとした死線(視線)と、精神(こころ)をじわじわと蝕む様な口撃(攻撃)に耐えきれなくなった真人は輝夜にミナを召喚した理由について緊張しながら──まるで地雷処理班の様な心情で、朝食が納まったばかりの胃をキリキリとさせながら、ぽつりぽつりと語り出す。

「まず1つ。輝夜は俺が帝から召喚状を貰ったのは知ってるか?」

「……確か、昨日そんな手紙を貰っていたわね。……ちょっと待って。まさか、帝の(はかりごと)か何かで私に手を出すって…そう、真人は考えてるのね?」

「ああ。断るとかな〜り=A面倒事が起きそうだったからな。そこは敢えて帝の(はかりごと)に乗ってやろうかと」

輝夜は真人の言いたいであろう言葉の1つ2つを先読みする。真人は輝夜のその予想に、鷹揚に頷き──かな〜り≠フ箇所で本当に嫌そうに顔を顰めながらも肯定する。

「……で、なんでそれが彼女に繋がるわけ?」

「……その前に1つだけ良いか? 輝夜にはちゃんと言って無かったが…実は俺、魔術──魔法の類いが使える。……まぁ、頭が良い輝夜の事だから気付いてるか
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