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英雄は誰がために立つ
Life11 聖書の子らの新たなる道 −赤VS白− −不敗VS逆転劇−
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 一発でも当たれば大ダメージは確実の魔力弾が、白龍皇が展開している魔法陣からマシンガンの様に幻想殺しに向けて放たれていた。

 「ごぉっ!」
 『一発一発の威力は見事だが、精度は低いし技も荒い。才能の上に、胡坐でもかいていたのかね?』

 しかし、それも懐に回り込まれて鳩尾に気を練り込んだボディブローを喰らい、あっさり対処される。

 「ハァ――――ハハ!」
 『何が可笑しい?』

 普通なら、悶絶するほどの一撃ではあったが、苦悶の表情を浮かべつつも笑いながら立ち上がるヴァ―リ。

 「何、が可笑し、いって?そりゃぁ、おかしいさ。実力差が有ると知っていたが、ここまで圧倒的だったなんてね。正直俺を楽しませてくれる相手なんて、異形達の中でもトップレベル位だと思っていたからさ、アンタと言い渦の団のある派閥(奴ら)と言い、人間も中々に侮れないなと、思ってね!」

 言い切ると同時に不意を突く様、幻想殺しに向けて殴り掛かるヴァ―リ。

 「!?いな、ぐっ!?」
 『左様か』

 一瞬にしてヴァ―リの前から姿を消したかと思えば、真横に姿を現し又もやボディブロー。
 その時、先程から気にしていたあちらの状況に急変が走ったようで、焦る士郎。
 今まさに、残存している巨大ゴーレムの掌がゼノヴィアを、押し潰そうとしているのだから。
 此方側の誰もが、間に合わない距離に居た。たった1人である、士郎を除いて。

 (ギリギリか!?)

 悶絶している最中のヴァ―リに見向きもせずに、ある歩法技術で助けに行く事を瞬時に決める士郎。

 士郎がまだ『衛宮士郎』だった頃、『万華鏡』の修業の元である平行世界とも言うべき異世界にて、『魔』を知っている世界の住人達の中の達人であればだれもが使える移動術がある。
 『瞬動』または『クイック・ムーブ』とも言う技術だ。
 長所としては士郎が治めている移動術の中で一番迅く、短所としては目的地点に止まるまで方向転換が不能と言う処だろう。
 理論としては、足場に魔力または気を集中させて爆発的な移動速度を生み出す歩法だ。
 本当は瞬動術と縮地法を組み合わせた『縮地』も使えるのだが、士郎にとっては速度のみを追求するのなら『瞬動』だけの方が遥かに速いのだ。

 「ッ!」

 決めたと同時に足元に素早く気を集中させて、()ぶ。

 元いた地点には音速でも超えたのか、空気の広がりに地面には熱が残っている。
 今まさにゴーレムの掌の中心がゼノヴィアに当たる瞬間、滑り込むように掴みながら押し出していった。

 「ゼノヴィア・・・さん」
 「ゼノヴィア先輩・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」

 リアス眷族のうち3人は、沈痛な面持ちになっている。3人の動体視力では、先の光景
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