暁 〜小説投稿サイト〜
ガンダムビルドファイターズ 〜閃光を纏う傭兵〜
第5話 嵐の前の………
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りもなかった。

「さっき使っていたブルーフレームD、生放送で出ていたブルーフレームセカンドLは作り方と動き方が似てた」

「あれを見ただけでよく分かったな」

まさか動きとガンプラの造形だけで気付くビルダーがいるとは思わなかった。というか動きの癖とかまで気にしていなかった。

「そういうの、得意だから」

少し自慢気に笑うアズサ。無表情が印象的だったせいか笑顔が少し新鮮で思わずどぎまぎしてしまった。

「そ、それで、何か俺に用でも有るのか?」

「ないよ。聞いてみただけ」

さいですか。

肩すかしを食らったため妙な脱力感に襲われたが、扉を閉める前にアズサが手を差し出してくる。

「………ううん。一つだけあった。………部活動でもよろしく」

実にあっさりとした言葉だったが、不思議と嬉しさが込み上げてくる言葉でもあった。アズサの手を握り返し、頷く。

「ああ。また明日だ」

入学式直前の夜は静かに過ぎたのだった。

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