暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《6》〜ストロンゲスト・カタストロフ〜
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創造(~クリエイション~)》の帯が突き刺していく。

 ライトが、驚愕の表情と共にうめく。

「こいつ……《光闇刃》じゃなかったのか……ッ!」
「ご明察。そして今更気付いても、もう遅い」

 《光闇刃》の帯は、どちらかと言うと受け身系の権能を有した武器だ。しかしそれとよく似た外見をもつ、タツが新規に作り出したこの武器は、外見こそ似通っているものの、その正体はただの刃である。

 そして、ライトのHPはあっけなく0となり。

「かー……不完全燃焼だぜ」
「それは残念でしたね」

 無数のポリゴン片となって、爆散した。

【Third-Battle:Winner is Tatsu!!】



 ***



 ところ変わって控室。セモンとの戦いが不完全燃焼であったリンは、今度こそと剣の素振りをしながら、次の戦闘を待っていた。

 対戦相手は、あの《月の剣士》と同じ名前で、彼を破った『ジン』なるプレイヤー。その実力は未知数だ。どんなスキルを使うのか。どんな戦い方をするのか。

 だが。

「ジンに勝ったくらいで、俺が負けると思うなよ」

 ジンはタツに勝ったこともある猛者だが、リンも決して弱くはない。というかむしろ『異常に強い』部類に入るだろう。

 準備は万端。いつでも勝てる。そんな状態で、リンは自分の番が回ってくるのを今か今かと待っていた。

 すると、ぽーん、という音と共に視界端にウィンドウが開く。第三試合の勝敗が決したのだ。見れば、強敵《狩人》のライトをうち倒し、タツが準決勝へと駒を進めている。

「おっ、たっつんも勝ったか。へへっ、決勝で会うのが楽しみだぜ」

 早くも勝った気でいるリン。普通ならばこれはただの死亡フラグだろう。

 だが彼に至ってはそうとは限らない。何せ、リンはSAO最強のプレイヤー達の一人なのだから。

『それでは、第四試合、プレイヤーネーム《リン》VS《ジン》を開始いたします――――』

 そしていよいよ、リンの出番がやってくる。

「さぁ、勝ちに行こうか!」

 転移光に勢いよく飛びこむリン。


 二度目となるコロシアムの雰囲気を味わいながら、リンはフィールドへと姿を現す。対戦相手はすでにそこにいた。にやにやと、薄気味悪い笑みを浮かべて。

 ぞくり。

 リンの背筋を、悪寒が駆け巡る。彼を以てしても、そう感じさせざるを得ない、不気味な笑い。

「おっせぇぞ」
「うるせー。お前が早すぎるんだよ。ジンって言ったっけ? せっかちは嫌われるぜ」

 ジンの短い暴言に、リンも言い返す。機嫌を悪くしたのか、ジンは顔をしかめた。短気な奴だな、と、リンはジンについて内心でメモをする。

「はっ、口がよく回る奴だな」
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