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lineage もうひとつの物語
冒険者
アリ穴四階 part2
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る前に報せるのがいいのは間違いないだろう。

「こちらに犠牲者が出てからじゃ遅いからの。地上での安全がとれるくらいまで魔力が回復したら帰還しよう」

「確かにこの状況でバジリスクと鉢合わせとか洒落にならんからな。了解した」

帰還スクロールで地上に戻るとそこはアリの巣の出入口にあたり、出入りするアリと出会ってもおかしくはない。
しかもそこは砂漠の真ん中ということもありスコーピオンやバジリスクと遭遇することもありうる。
安全性を考慮し多少余裕をもたせ全員同じタイミングで帰還するというのは今のところ危険地帯にあるアリ穴、ドラゴンバレーケイブだけのものだろう。

ウォレスは頷くと警戒態勢にあったエルフの三人にそれを伝えそのまま自分も岩場の陰からアリの動きの警戒にはいった。






それから30分程経った頃

「そろそろ完璧じゃないけど大丈夫かな?」

アーニャは8割程魔力の回復を感じ立ち上がった。
それに応じ同じく回復したことを告げるサミエルの顔には若干悔しそうな表情が垣間見えるがそれも一瞬だけで誰も気付くことはなかった。

それまでの魔力の消費量にもよるのだろうが同じ時間を回復に務め完全回復した自分に比べ、まだ完全回復に至らないアーニャとの魔力差がはっきりと解ってしまったサミエル。
これまでの戦闘から薄々感じていたものの如実に現れた差に悔しさを覚えたため面に出てしまったのだろう。
しかしそれはサミエルが一人そう感じているだけで他のメンバーは全くそんなことは考えていない。
確かにアーニャの魔法は強力で頼りになるのは間違いないだろう。
だがサミエルにはサミエルの良い所がありそれを解っているのだ。
その発想力、応用力はアーニャを凌ぎ、その能力があったからこそオーレン戦でアレンと共にイフリートを退かせることができたのだから誇っていいはずである。
サミエルが自分の路を見つけ出し長所を伸ばすに至るまでこの葛藤は続くことになる。

ウィザードの魔力回復を確認したウォレスはエルフ達と周囲の安全確認を行う。
休憩中何度かアリに見つかったが全て単独の小アリだったこともあり、ガンドやウォレスの一撃により葬り去られ仲間を喚ばれることはなかった。

「これよりカウントダウンを開始する。全員が同時に地上へ出るよう帰還準備に入るんだ。決して戦闘体勢は崩すんじゃないぞ」

各自帰還スクロールを広げカウントダウンを待つ。

5....

4....

ウォレスのカウントダウンを聞きながらアレンは周囲へと注意を配る。

3....

2....

“何か・・・・“

前方の通路へと意識を集中させるアレン。

1....

「待ってくれ!」

怪訝な表情を浮かべたウォレスはカウントダ
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