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リリなのinボクらの太陽サーガ
決着
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れば再び虚数空間に落ちて、こちらから穴を開けない限り永遠に出ることはかなわなくなる。そしてそれが……俺とカーミラの願いでもある!

まだ石化の及んでいない顎しか動かせなくなっているヴァナルガンドに、俺はカーミラから授かった大剣をこれまでの借りを世紀末世界のものも含めて叩き付ける。叩き付ける、叩き付ける、叩き付ける!

「うぉぉおおおおおッッ!!!」

ギャィィ……ィィッ……!!

最後の抵抗も破られたヴァナルガンドは、断末魔の声をあげて完全に石化した。そしてヤツの自重に耐え切れなくなった時の庭園の床が崩れていき、破壊の獣は何もない虚数空間の穴へと吸い込まれるように落ちていった。

すまない……そして、ありがとう……カーミラ。俺は信じる、いつかまた、出会える明日が来ることを。その未来を……俺は決して諦めない。

「……終わった……のか?」

薄汚れた格好でクロノがそう尋ね、その問いに俺は無言で頷く。途端に全員が安堵の息を吐き出し、この場に穏やかな空気が戻ってくる。しかし、何か大事なことを忘れているような……。

「あ! ジュエルシードがっ!!」

アリシアの声で俺達はプレシアの制御下を離れて暴走しかけていたジュエルシードを目の当たりにする。まだ完全に暴走していないと判断し、すぐさま暗黒銃で暴走寸前のジュエルシード15個を狙い撃つと、暴走が止まってジュエルシードは床に落ちた。

「これ以上の連戦は御免だ」

俺の言葉に神妙な顔で全員が頷いた。落ちたジュエルシードをユーノが拾うことで、最後の一波乱も完全に幕を閉じた。とにかくこれで世紀末世界から続いた破壊の獣を巡る戦いは終わった。そう感じた俺は肺の奥から息を吐き出し、ずっと背負い続けていた肩の重荷がようやく下りた感触を味わう。まだ人形使いが残っているが、転移したあいつの行方がわかるまで決着はお預けだ。

「さあ、帰ろう。俺達を待ってくれている人達の下に。俺達が守り、これからも生きていく世界に」

そう伝えて帰路に着いた時、俺の手元からピシッと音が鳴る。視線を送ると暗黒銃ガン・デル・ヘルのフレーム“ファントム”にヒビが入り、レンズ“ダーク”が割れ、バッテリー“カオス”が砕けていた。

これまでの激戦で耐久限界を迎え、さっきのジュエルシードの封印で役目を終えたのか。……俺の闇の象徴ともいえる武器だったが、コイツにもずっと世話になっていたな。この世界の未来に、ダークマターを操るこの銃は存在しない方がいい。下手な騒乱を招く前に、丁重に葬ってやろう。

「これまで支えてくれて、感謝する……。おまえも、安らかに眠れ……」

ほとんど消滅しているが、まだ僅かに開いている虚数空間への穴。そこにカーミラへの手向けの意味も込めて壊れた暗黒銃を放り込み、穴が完全に閉じるのを
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