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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日・夜:『“ダァク・ブラザァフッヅ”』
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取るべき最善の手は何だ!


 思考を回転させる。()()()()()()()()()()()。演算強度だけは大能力者(Level4)級の、その頭脳で弾き出した答えは。


『ハァ〜イニャア、フレンダチャン? ジャーヴィスナ〜ゴ?』
「あ、やっと出た訳よ」


 フレンダの携帯から響いた、金切り声のような声。間違いなく、それは嚆矢の『裏の顔』であるMr.ジャーヴィスのもの。ただし、微妙に片言だが。
 そして、その等の本人は────


『フレンダチャンカラ電話ガ頂ケルナンテ思ワナカッタニャア、一体何ノゴ用ナ〜ゴ?』
「では、残りの皿をお持ち致しますね」


 猫男の声が響く中、フレンダと最愛に会釈して振り向く。それにより、四人の興味は完全に嚆矢から離れた。
 そして嚆矢は、ポケットの中の────携帯に纏わり付く粘塊に向けて意識を。


(危なかったな……助かったぜ、ショゴス)
『てけり・り。てけり・り』


 精神感応(テレパシー)で此方の意志を読み、携帯に答えさせているショゴスに感謝を。


『何よ、てけりって?』
『あ、気にしないでニャア。それより、何か用事なんじゃないのナ〜ゴ?』


 と、(いぶか)しまれて慌てて携帯を口許に。バレないよう、四人にも気を配りながら。幸い、此方を気にしている風ではない。乗り切るまでは気は抜けないが。


『あ、そうそう。こないだの店に皆で来てるんだけど、結局アンタも来ないって訳』
『ダァク・ブラザァフッヅニャア? 残念だけど、今日は無理ナ〜ゴ……』
『何、私の招待を蹴るっての?』
『涙を呑んで見送らせていただきますニャアゴ』


 兎に角早く切り上げようと、断りを入れる。厨房に引っ込んでいる内に切れば、一先ずは安心だ。
 因みに師父はこんな時に限って、備え付け型の店電に応対している。随分盛り上がっているらしく、まだまだ終わりそうにない。


『なんな訳よ、もう! 今日は散々な日な訳よ────ウェイターさん、私の分まだー?!』
「あっ、はーい、ただいま!」


 と、携帯とホールの両方から同じ言葉が。それに慌てて反応し、サーモンのムニエルと油焼きそばを持つ。再びショゴスの精神感応に対応を切り替えて、急いで運ぶ。
 テーブルに辿り着いた瞬間、フレンダは捲し立てるように。


『「結局、新入りの癖に生意気なのよ! あと、ウェイターさんも遅い訳よ!』」
『「超待たせ過ぎです』」
「ッ…………!?」


 振り向いた嚆矢の直ぐ目の前まで文句を良いに来ていたフレンダと最愛は、精神感応(テレパシー)と実際の耳で二重に聞こえる音声で文句を口にし
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