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リリなのinボクらの太陽サーガ
エピソード1・プロローグ
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こそでもあった。

そう、これまでジャンゴが行ってきた世界の命運を決する戦いには、必ずサバタの存在があった。自分の半身とも言える兄が共に戦ってくれたから、あの激戦を生き延びる事が出来たのだとジャンゴは思っていた。それに父も母もいなくなった彼にとって唯一血の繋がった家族でもある。だからこそ彼は絶望的な状況でも諦めずに兄を救おうとして、サバタに攻撃しないのだ。
ジャンゴの無謀にも等しい行動を破壊衝動に染まったサバタは嘲笑混じりに蔑んでいたが、ジャンゴの決死の覚悟を目の当たりにしていくと次第に彼本来の精神と破壊衝動の齟齬に苦しみ始めた。その反動でヴァナルガンドに僅かな硬直時間が発生する。その隙にジャンゴは太陽銃ドラグーンを最大チャージまで溜め、ヴァナルガンドの頭を的確に撃ち抜いた。最大威力で放たれた太陽弾の直撃を受け、弾かれた様に上を向いたヴァナルガンドは叫び声をあげると、倒れながら徐々に全身が石化していった。
戦いが終わったのか確かめるべく近づいたおてんこさまは、これが嘆きの魔女カーミラの石化能力によるものだと推測した。それに応えるように現れたカーミラから、このまま同化が進めば、サバタの魂が破壊の獣そのものになってしまう。それを止めるにはヴァナルガンドを墓石とし、共に永遠をねむるしかない。と残酷な真実を伝えられる。どうやっても兄を救えなかったのか、と落ち込むジャンゴとおてんこさま。カーミラは二人に白き森で頼まれていたサバタの最後の願いを教え、これが彼の望みだったのだと諭した。犠牲を払わずして未来をつかむことはできないのか、と自問自答するおてんこさま。
沈黙が場を支配した時、石化したはずのヴァナルガンドが突如動き出し、カーミラを取り込もうとする。このままでは石化が完全に解かれ、破壊の獣が大崩壊を引き起こしてしまうと判断したおてんこさまはカーミラに自らの太陽の力を使うよう伝える。しかしそれはおてんこさまが地上にいられなくなることを意味した。おてんこさまはジャンゴに生きて未来をきずき上げていく事を託し、ヴァナルガンドに飛び込んでいき、おてんこさまが発した太陽の光で辺りが白く染まった。

託された想いを噛みしめながらジャンゴは棺桶バイクで楽園の遥かなる荒野のハイウェイを走る、世界を存続させるため犠牲になった者達の事を思いながら。イストラカンに向かう旅では一人だったが、そこからはおてんこさまが時々敵の手でいなくなる事があったとはいえ、ずっとそばでジャンゴを導いていた。それが天涯孤独だったジャンゴにとってどれほどの支えになっていたか、彼自身も把握できていなかった。
だというのに、後ろからは耳障りな雄叫びをあげて石化を解いたヴァナルガンドが追ってきているではないか。彼らの犠牲が無駄だったと絶望してしまったジャンゴは諦めてこのまま自分も死んでしまおうと思い、バイ
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