暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《2》〜パラドックス・プレイヤー〜
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投擲》。投げられたのは、《細剣》基本ソードスキル、《リニアー》。

 ギュゥゥゥン!! という風切り音を鳴り響かせて、リオンの剣は少女に迫る。

「へぇ、すごいや! ソードスキルを投げるスキルなのかな? よし、じゃぁ俺もこれだな……」

 そしてハクは、その槍を構える。穂先が光る……ソードスキルだ。

「――――《ソリッド・カトレア》」

 それは、まるで花びらのような軌道を描いて、レイピアの一撃を叩き落とした。同時に、『衝撃波が拡散する』―――――

「それは……ッ!?」
「俺のユニークスキルさ。《妖魔槍》。よろしくな」

 聞いたことのある名前だ。

 確か彼女と似たような名前のあの少女のユニークスキルの名がそれだと、リオンはセモンに聞いた覚えがある。

 つまりこの少女は、理論上の存在でしかない、一つのユニークスキルの、二人目の所有者、という事なのだろうか?

「まだまだ行くぜ――――《アシッド・サンフラワー》」

 花びらを模した衝撃波が、リオンめがけて放たれる。急いでそれを避けるものの、なんと衝撃波はリオンを追尾して攻撃してくるではないか。ホーミング性能があるのだ。

「くっ……!」

 短剣を抜き放ち、ソードスキルで迎撃。最後の衝撃波の花びらを霧散させると、そのままソードスキルを『投げる』。

 回転しながら飛んでいく短剣用ソードスキルをしり目に、リオンは先ほど投げたレイピアを《クイックチェンジ》で回収。次の攻撃を開始する。

「でぁぁっ!!」

 《細剣》上位ソードスキル、《フラッシング・ペネトレイター》。彗星のように尾を引きながら、ハクへと迫るソードスキル。

 それだけでは終わらない。左手で片手剣を抜くと、上位ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》の構え。通常の倍の射程距離をもつこのスキルで、さらなる追撃をはかる。

 空いた右手で次のスキルを。

 空いた左手で次のスキルを。

 クイックチェンジで武器を取り戻して、再び《投擲》。

 投げる。投げる。投げる投げる投げる―――――

 ソードスキルを、唯々投擲する。雨のように。嵐のように。

「おおっ!!」

 飛んでくるソードスキルたちを、ハクは笑顔でかわしたり、はじいたり。恐ろしい制度と直感で、リオンの《投擲》による波状攻撃を迎撃し続ける。

 お互い、そのHPは全く減っていない。

 だが、動きは――――ここから、生み出す。

「ヴォーパル……ジャベリン!!」

 《投槍》ソードスキル、《ヴォーパル・ジャベリン》を、《投擲》スキルの投擲効果を併用して『投げる』。もともと投擲する事で発生するソードスキルを、さらに効果を上乗せして投げたら、どうなるのか――――

 簡単だ
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