暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第二十四話 生存
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Oの中なのか、ということだ。俺はその疑問を解消すべく、右手を振る。すると

「出た・・・・・・」

 鈴を鳴らすような効果音とともに、紫色に発光する半透明の矩形が現れた。これで確定だ、ここはまだSAOの中である。だが、同時に謎は深まるばかりである。この世界ではHPが0になれば、こちらでも現実でも退場することになる。それは絶対の理のはずだ。だが、俺はこうして生きている。

「とりあえず、みんなに生きていることを報告しよう」

 不可解なことがいくつもあるが、まずはそれが先だ、と思った俺は、メールを作成し始めた。
 最初に送るのはアリスだ。一番最初に送らなければ殺されるだろう、と俺は、簀巻きにされて湖に落とされた過去の出来事を思い出した。とりあえず、帰ったら何かやられるのは確定だな・・・・・・と遠い目をしながらメールを送ろうとした。

「あれ?」

 メールが送れない(・・・・)・・・・・・。

「どうゆうことだ・・・・・・」

 もう一度送信しようとするが

 error

 この五文字が表示される。俺は、この時点で嫌な予感を感じ始めた。
 続いて俺は、メールを送れないならばと、メニューの中からアイテム欄をタッチし、無数の項目の中から《転移結晶》を選択して、オブジェクト化させた。

「頼む・・・・・・転移、<アルゲード>」

 俺は祈るように青い結晶を強く握りしめた、が、いつまでたっても転移は始まらない。

「転移!<アルゲード>!!」

 もう一度転移結晶を掲げ、叫んだ。
 だが――――

「やっぱりダメか・・・・・・」

 転移結晶はウンともスンとも言わなかった。
 メールが送れない時点で、そんな予感はしていた。第一、俺がこうして生きていることがおかしいのだ、何かしらのバグが起きていても不思議ではない。

「これはまずいな・・・・・・」

 それでも俺は焦りを感じずにはいられない。連絡手段がないのだから。つまり、誰にも自分の安否を伝えることができない。
 アリスたちは恐らく俺が死んだと思っているはず。それがどれほど彼女らを傷つけているか。
 それに、一番心配なのはアリスだ。俺が死ぬ間際に聞いた彼女の声は、今にも泣きだしそうなほど震えていた。多くの人は知らないが、強気な口調と見た目に反して、アリスの心は繊細である。ただ、弱い自分を人に見せようとしていないだけ。

 だからまずい。前に一度、彼女は仲間を目の前で失ったことがあるのだ。その時のアリスは本当にひどかった。俺とアスナの二人で、ギリギリ落ち着かせることができた。だが、今回はアスナしかいない、キリトもいるが、少し心もとない上、唯一頼りになりそうなユージオは、今彼女のそばにいない。
 なら、俺がとるべき行動は一つだ。
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