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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
容体
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えるのはそんな感じや。明日にでも封印用の呪具は持ってくるから、回復したらそれを使ってな。それと、ついでに霊薬なんかもテキトーに見つくろっとくわ。」
「悪いな、清明。代金なんかは俺が回復したら払うから、つけといてくれ。」
「とらへんよ、そんなもん。君のおかげでこの箱庭は救われたんやから、そのお礼や。・・・それにしては、かなり安くなってもうてるけど。」

そう笑った清明は荷物を持ち、部屋を出て行こうとする。
そして部屋を出る直前、

「そや、お見舞いなんかの申し込みもあるやろうけど、せめて自分で起き上がれるようになるまではダメやで。今は精神的負担もあかん。その時になれば、そう言う疲れくらいなら問題ないけどな。」
「・・・分かりました。では、今来ている申し込みもその時まで待っていただきますね。」
「え、もう来てるのか・・・?」

意外そうな顔をした一輝に答える者は誰もいなく、清明はそのままリリとサキの二人に見送られて出て行った。

「それにしても・・・良かったわ、一輝君の意識が戻って。」
「あはは・・・それについては、皆様にご迷惑、ご心配をおかけしまして・・・」

飛鳥の言葉に対して一輝は割と本気で申し訳なさそうに謝った。とはいえ、言葉だけで頭を下げる、の様なモーションはつかないのだが。

「ううん、気にしなくていい。一輝はそうなっても仕方ないだけのことをしてたんだし。」
「YES!今や、一輝さんのことを知らない人はいないくらいの勢いでございます!」
「あんまり有名になってもなぁ・・・それ、他の人の名前に置き換えられない?」
「いえ、それは無理でしょう。」

どう考えても無理だ。というか、ここまで広がったものを変えることはどう頑張っても出来るはずがない。

「はぁ・・・まあ、コミュニティの事も広まるだろうし、よしとするか。それに、人の噂も七十五日って・・・」
「いえ、結果として一輝さんはほぼ一人で人類最終試練をクリアした形になりますから・・・」

と、黒ウサギの言いにくそうな様子に一輝はいやな予感を募らせ、

「かつて人類最終試練(ラスト・エンブリオ)である『閉鎖世界(ディストピア)』が討伐されましたが、その際に参加した主要なコミュニティの事はいまだに語り継がれています。ですので・・・」
「俺のことも、語り継がれるだろう、と?」
「それどころか、様々なコミュニティで『人類最終試練の一つ、絶対悪(アジ=ダカーハ)を討伐した英雄』として子供たちに語られ続ける可能性も・・・」
「・・・もう嫌だ、何だそれ・・・」

今一輝が動けたのなら、orzのポーズになっていたかもしれない。それほどに、一輝は落ち込んでいた。

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