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SAO編−白百合の刃−
SAO21-黒髪の少女
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 夜が明け、爽やかな朝日の光が窓から差し込まれる。そこに小鳥のさえずりが目覚まし時計のように鳴り、気持ち良く起床することができた。

「……あれ?」

 周りを見渡せば、木でできた壁と床の空間。ベッド以外の家具は置いていなかった。
 そして側にドウセツが眠っている。あそっか、ドウセツの別荘で寝たんだ。
 私の腕の中に眠るドウセツは照らされる朝陽によって、さらに白く美しく、まるで私の二つ名の白百合のようだった。あれ? 浴衣じゃなくて私服になっている? 途中で起きたのかな? 似合っているから別にいいし、どんな服を着ても現実のように寝五心地が良くも悪くもないから、影響ないからいいんだけどね。
 それにしても……。

「寝顔も綺麗だよね……」

 私服が似合っていて眠る姿にときめいてしまい、思わず本音が漏らしてしまう。そして私は何を思ったのか、長い濡れ羽色の黒髪に触れて、また思ったことを漏らしてしまう。

「綺麗だよね…………食べちゃいたい」
「朝っぱらから、変態発言はやめて欲しいわね」
「……あれ?」

 いつのまにか起床していたドウセツから久々の毒舌を味わってしまった。まさか起きていたとは、全然気がつかなかった。
 ドウセツは上体を起こし、指でまぶたを掻く。どうやら、今さっき目が覚めたばかりで、私が思わず本音を漏らしたことは、たまたま聞いてしまったようだ。

「私を食べようとしたら、『軍』に追放していたわ。良かったわね、忠告を受けられて」
「いや、別に本気だったわけじゃ……その様子だと、いつものドウセツに戻れたかな?」
「そうでもないわよ……ただ」
「ただ?」
「少し……落ち着いた」

 ドウセツが自分の心情を私に伝える時のその表情に、悲しい色合いは別の色に重ね塗りされた穏やかな彩色だった。あらゆる恐怖に怯えたドウセツは、涙と共に去って行ったんだろう。

「……そっか」

 それだけでも、私は十分嬉しかった。
 さて、この後どうするか。しばらく、前線から引いて休暇を取るつもりでいるんだけど、計画的になにも決めていない。ドウセツの心の傷を少しでも癒そうとするのがある意味本来の目的だから、別に前線へ出ても危険な目に遭わなければそれでいいんだけど……ある程度はなにかしら決めたほうがいいんじゃないか?
 疲れたら、休むのが一番。だけど、中身がない休日を何日過ごして楽しいのか?

「ねぇ、キリカ」

 計画性のない休日になにかしら埋めようと考えていると、ドウセツがちょっと恥ずかしそうに、申し訳なさそうに顔を覗き込んで口にしてきた。

「まだ貴女に言えないことある……の。で、でも。もう少し待っていて、いつか、言うから……だから……」
「うん、いいよ」

 我ながら、呆れるほどあっさりした返答だ
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